第189話 ルートと話

「此処でいいんですね?」

「ゴウ様がよろしければお使いください。」

「ありがとう・・・うん?ルートさん、港と駅以外に少し作りたい物が出来たんだけど、海沿いの空いた土地をもらっても良いかな?」

「ゴウ様のお望みになられるならお好きなだけお使いください。」

「ありがとう、この辺りの土地なんだけど。」

「ええ、どうぞ。」

俺は許可を貰った事で駅と港、そして新たに建設出来るようになった遊園地を建設する。


建設出来るようになっていたのは、千葉にある夢の国のような最高峰な遊園地ではない、浅草にある古い遊園地だったのだが、俺はそれを選択、一応今後の能力の拡大を考え、広めの土地は確保しておいた。

「ゴウ様、一応ですが何をお作りになるかお聞きしてもよろしいですか?」

「ちょっとした遊び場を作ろうと思いまして、ルートさんに場所を借りるお礼になればと考えていますよ。」

「遊び場ですか?」

「ええ、この世界にはたぶん無い遊び場だと思います。」

ルートは少し首を傾げていたが俺は駅と港を選択していく、港と駅を連結しつつ、ショッピングモールを間に建設、他に作ったショッピングモールとの差別化をはかる為に、ホームセンターを始め家具、生活雑貨、を作るのであった。

このことが大きな人の流れを作るのはまだ少し先の事であった。


「さてと、少し重い話になりそうだけど、クロエ王女はどうなりましたか?」

「・・・クロエ王女が望みだった、援軍の話は当然流れましたが、我が国での滞在は認められ、その血筋を残す事を許されております。」

「ルートさん、私は貴族の習慣について疎いのでわからないのですが、クロエ王女と関係を持とうとする貴族はおられるのですか?」

「正直に申し上げ、まともな貴族なら縁を持とうなどとは考えないでしょう。

魔王国と友好を結べば、ラニアン王国は今後敵国となる可能性が高い国です、その国の王女を迎え入れれば痛くない腹でもさぐられる事になるでしょう。

可能性があるとすれば王家がクロエ王女を迎え、子をなしたのち、その子を旗頭にラニアン王国領を奪うというのは出来なくはありませんが、ゴウ様の関係を考えればそれをするクルト陛下ではないかと。」

「じゃあ、どんな相手になるのでしょう?」

「クロエ王女は美しい方です、その身を汚そうと思うロクデナシは我が国にもいると言う事です。

ただ、先程も言いましたが国論が敵国扱いになる王女です、その貴族ですらどこまで面倒をみるかわかったものでは無いですね。」

「・・・一応連れてきた身としては責任を感じてしまう話です。」

俺はクロエの今後を考えると少し胸が痛くなるのであった・・・

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