第187話 まだ王都に行かない

ジョージア王国に帰って来たのはいいのだが、俺は喉を痛めたようで咳が止まらなくなり拠点で大人しくしていた。

「ゴホッゴホッ、ルートさんの報告、無事に終わったかな?」

「ゴウさんはそんな事を気にする前に身体を治してください。」

「咳は止まらないけど元気なんだよ。」

「声も枯れてますよ。」

「でも元気はあるんだよ。」

「それでも大人しく療養してください。」

俺の世話をしてくれる3人に段々と頭が上がらなくなってきている気がするのだが俺は二週間程、療養する事になっていた。


「だいぶ良くなってきたよね。」

声も戻り、咳もだいぶおさまってきた、俺は散歩をしながら自分の体調が回復してきた事を感じていた。

「治りかけが一番危ないんですからね、まだ、暫くはここで療養してください。

特に急ぎの話も無いですし。」

「ルートさんの報告がどうなったか気にはなるんだよね。」

「王都に戻るのは少し待った方がいいです、人混みに入るとどうしてもホコリが舞いますから、のんびりと療養してください。」

「でも二週間ものんびりしてるよ、王都でも動きがあるんじゃないかな?」

「ゴウさんは国の事を気にする立場じゃ無いんですよ、それにルートさんには此処に来れるチケットを渡したんですから何かあればやって来ますよ。」

「まあそうだと思うけど。」

「まずは健康が一番です。」

「元気はあるんだよ。」

「駄目です。」

俺は咳が完全に出なくなるまで、王都に戻る事は出来なかった。


「ゴウさんはまだ連絡がつかないのですか?」

討論会のあと、クロエを支持してくれた貴族に連絡を取るものの既に見捨てられ面会を拒む者が多くなる、中には血統を残す手伝いをしてやろうと下卑た連絡をしてくる者も現れる始末であった。

「申し訳ありません、奴らは駅から出ることが無いため、連絡を取ることもできず。」

「私自身が出向く事が出来たらいいのですが・・・」

クロエは以前より見張りがついており、安易に外出できる立場では無かった、その為以前問題を起こしたローズを使うしかなかった・・・

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