第184話 手紙・・・
「クロエ王女からの手紙である、ゴウにしかと届けるように!」
駅に来たローズはマナブを呼び出し、手紙を渡そうとする。
「手紙をお預かりしますがゴウさんがこちらに来てからになりますがそれでも構いませんか?」
「なんだと!貴様、クロエ王女殿下の手紙を軽くみるつもりか!」
ローズは腰の剣に手を伸ばしていた。
「待ってください、手紙を送る手段が無いんです。
手紙を預かった事はお伝えできますが・・・」
「伝える事が出来るのに渡せないとはどういう事だ!
お前はさっさと渡せば良いだけだ!」
「なんだてめぇ態度が悪いじゃねえか。
頼み事があるなら頭を下げて頼みな!」
マナブとローズの話にリュウタが割って入る。
「チンピラ風情が話に入ってくるな、お前には関係無い話だ。」
「なんだとてめぇ!マナブに詰め寄っておいて関係無い訳無いだろ!」
「黙れチンピラ、お前は地面にでも這いつくばってろ!これは大事な話なんだ。」
ローズはリュウタの頭を掴み地面に叩きつけようとするのだが・・・
その瞬間駅から放り出される。
「へっ、ここは暴力禁止なんだよ、馬鹿な奴だ。
マナブ大丈夫か?」
「ああ、リュウタは放り出されるのを狙ったのか?」
「そりゃな、あの女騎士の奴頭に血が登ってやがったからな、しっかりと嵌めてやったぜ。
これで以前の借りは返せたな。」
リュウタは初対面の時にやられた借りを返した事に満足していた。
「しかし、手紙も受け取っていないのだが・・・」
「いいんじゃねえか?俺達に暴力を振るう奴は相手にしなくて良いって言われてんだろ?」
「まあね、たしかに非礼な奴だったからな、相手にしなくてもいいか、リュウタありがとうな。」
「よせよ、俺はただあの女騎士にムカついただけだ。それより暫くはみんなに外出禁止にしたほうが良くないか?」
「たしかに逆恨みも怖いしな、みんなに連絡しておく。」
マナブはすぐに全員に連絡をいれ、駅に立て籠もる事になる。
その一方で・・・
「くそっ!なんで入れないのだ!手紙、手紙だけでも渡さねばならないのに!!」
ローズは駅に立ち入る事も出来ず、渡されたクロエからの手紙が討論会の前にゴウに届く事は無かったのだった・・・
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