第183話 話は別方向に
王都に帰ったルートはすぐさまクルト国王に報告していた。
「なんだと、ラニアン王国が攻められているのは自業自得だと・・・」
「はっ!異形の者ではありますが道理は魔王国にあります。
そして、ラニアン王国はゴウ様を侮辱し、罪を着せようと致しました。
私は調査した者として、この非道を見過ごす事はできません、攻め滅ぼすべきはラニアン王国です。」
「待て待て、ラニアン王国に援軍を出すというのは大筋で決まっているのだぞ、今更攻め滅ぼすというのは皆も混乱するであろう。」
「陛下、ならば陛下は古の魔法使いであるゴウ様が罪に問われても構わない、いやそれ以前に侮辱されている事をお認めになると言うのですか?」
「恐ろしい事を言うな、私は古の魔法使いに対して敬意を持たぬ事など一時も無い。
だからこそ、ゴウが連れてきたクロエを保護しその望みを聞く機会を与えたのだ。」
「ならば、一度クロエ王女に討論させてください。」
「わかった、その機会を設けよう。」
クルトは国の重鎮達を集め、クロエとルートによる討論会を設ける。
「討論会?」
クロエのもとに討論会の話が持ち込まれる。
「はっ、陛下の命によりラニアン王国への援軍の有無について調査結果とともに判断したいとの事にございます。」
「調査団がお戻りになったのですね、そうなると援軍の規模についてでしょうか・・・
わかりました、討論会に出向きたいと思います。
ところでゴウさんは王都にお戻りになられているのでしょうか?」
「ゴウ様は王都に戻っていないとの事です、王都から離れている御屋敷で療養なされていると報告がありました。」
「療養?何処かお身体を悪くしたのでしょうか?」
「そこまでは聞き及んでおりません。」
「そうでしたか、いえ、わかりました、陛下には討論会に参加の旨をお伝え下さい。」
使者を帰したあと、クロエは少し考え・・・
「ローズ、駅に手紙をお願いします。」
クロエはゴウ宛の手紙をすぐにしたためる、そこにはゴウの体調を気にしている事、できれば見舞いに伺いたいとの旨を書いていたのだった・・・
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