第181話 帰国
数日後、俺達はジョージア王国に帰る事にしていた。
「ゴウさん、もっとゆっくりなさってもよろしいのではないですか?」
見送りにイヅナも来てくれ名残惜しそうにしてくれている。
「ゆっくりしたいのですが、こちらのルートさんは国のお仕事の最中ですのでそれを片付けてきたいと思います。
私達は落ち着いたらもう一度来ますね。」
「是非お越しください、ゴウさん達の来訪を一族一同お待ちしております。」
イヅナは丁寧に見送ってくれ、俺達は一路ジョージア王国を目指す。
「魔族というのは人類の敵というのは偏見だったのですね。」
ルートはしみじみと語る、ジョージア王国ではこれまで魔族とは異形の敵であり、対話が出来るとは考えられていなかった、だがルートが見たイヅナ達魔王軍は見た目を除き、対話も可能であれば好戦的でもない、そしてゴウに対して礼節を持って尽くしている、見た目を除けば別段問題無い、むしろ友好的な関係を構築すれば自国にも良い影響があると考えるのだった。
「まあ人は見た目によらないって事だと思うよ、ジョージア王国がどう行動するかはわからないけど、私としては魔王軍と敵対つもりは無いなぁ。」
ゴウの答えが全てであった、そもそもゴウがいなければ渡航して援軍という話にはならない、ルートが取るべき行動はゴウの味方の味方をする事であった。
「わかりました、私も帰国次第、陛下に奏上致します。」
「ルートさんお疲れ様です。」
「いえ、私の今回の仕事はラニアン王国の調査ですから、ゴウ様を蔑ろにしている国ということがわかっただけでも充分な成果です。」
「でも、申し訳ない、私がクロエ王女をジョージア王国に連れて行った為に援軍の話になったんですよね、それをまた翻すような事になってしまって。」
「ゴウ様のせいではありません、ラニアン王国がゴウ様に誠意を持っていれば問題無く援軍の派遣になったでしょう。
それを謂れのない損害賠償を求めるなど、どれだけゴウ様を侮辱するのか!許すわけには行きません。」
「できれば住民に被害なく終わればいいんだけどね。」
「なるべく考慮致しましょう。」
使命感に燃えるルートを連れて王都に帰るのであった。
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