第180話 旅の扉
「ゴウ様はこの扉について知っているのですか!」
「知っているというか、モチーフにしたと思われる物に心当たりがあります。
どうやら創造神様は茶目っ気のある方のようですね。」
「御冗談がお好きだったという逸話もございます、よく神々で巫山戯合っていたとか・・・」
「親近感が湧きますね、神様といえど人らしいみたいな感じがしますね。」
「ええ、いつもご友人達と楽しそうにしていたと主神様の手記にも残されておりました。」
「しかし、これじゃ帰れそうに無いですね。」
これが旅の扉なのだとしたら泉に何らかの動きがあるはずだがまったく動いているようには見えない。
「活動を停止してからずっとこのままなのです。
当時ですら修理する事も出来ず、大切に保管するだけなんです。」
サンキは悲しそうな瞳を向けていた。
旅の扉を見終わった俺は今後の話を相談する。
「まずはルートさんをジョージア王国に送らないと駄目だよね。」
俺は俺はやることを手帳に書き込む。
「私達の事は後回しでも構いませんが?」
「ルートさんは国のお仕事で来てますし、それに私達が急ぐべき事はありませんので。」
他の予定としたら旅の扉を調べて帰国出来るようにしたいとかはあるがすぐになんとか出来るとは思えない事柄なのだ、当面にあるルートさんを送る方を優先すべきだろう。
「ゴウさん、こっちを拠点にするんですか?」
「・・・それも検討するけど、王都にみんなもいるからね、安易に連れて来るとこっちで問題を起こしそうだから暫くは今の拠点を中心に動くよ。」
ミユキの確認に俺は答える、すぐに帰れるならまだしも、今の状態では帰れるとは思えない、ヌカ喜びさせるぐらいなら伝えない方がいいだろう。
「カスミちゃんもみんなには内緒で頼むよ。」
「わかってます、帰れないのに帰れるような事を言えばみんなが混乱してしまいますから・・・」
「本当に帰る手段が見つかるまでは伝えないようになしよう。」
俺の決断にみんながうなづくのであった。
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