第179話 扉見学

作ったショッピングモールは当初住民達が土下座をして崇める対象になっていたが、時が経つに連れて買い物をしてくれる人も増えてきていた。


「やっと落ち着いてきたみたいだね。」

「ゴウ様、神話に出る物に溢れている場所に行けば仕方無い話なんですよ。」

「神様も同じ物使っていたのかな?」

「いくつかお話に残っている物がありますから。」

俺が呼び出している物は日本で売っている物だ、神様も日本の商品を使っていたということなのだろうか、一度神話を調べてみるのも良いかも知れない。


「それよりゴウ様、扉の見学許可が出ましたよ。」

「扉って、前に話していた地球との往来をしていたという?」

「はい、見に行くなら案内するように言われておりますが、どうします?」

「是非お願いします、すぐに行っても大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫ですよ。」

「すぐに準備するから。」

俺はみんなに知らせてすぐに出かける準備をする。


「転移出来る扉ですか、動いてくれたら帰れるんですけどね。」

ミユキは歩きながら願望を口にする。

「止まった理由も良くわからないそうだから、難しいかもね。」

「私達も動いて欲しく、長年研究しておりますが成果は出ておりません。」

サンキはシュンとしている。


「きっと人にはわからない何かがあるんだと思うよ、わからない物が無いからきっとわからないんだよ。」

「・・・わからない物が無い?」

「神様が作った物なんだろ?

人にはわからない部品やらエネルギーやらを使っているんじゃないかな?

それが壊れたか無くなったかをしたから停止したんじゃないかな?」

俺は話していてありそうな話だと感じる、作った神様から五代後に止まったとサンキも言っていたのだ、電池切れとか有りそうな気がする。

問題は何をエネルギーとして動いていたのか・・・

俺も歩きながら考えるのだが到着するまで答えが出ることは無かった。 


「ここです、ここが地球との往来をしていたトビラです。」

案内された場所は祠となっており、実際転移出来たと言われている場所に扉は無く、床に泉のような物がある。

「扉は?」

「扉と呼んでおりますがあの泉の上に乗ると転移出来たとあります。」

「泉から転移って、旅の扉じゃあるまいし・・・」

俺は自分の言葉に感じる物がある。

「旅の扉、そうだよ表の祠もイメージそのままじゃないか!」

「ゴウ兄さんどうしたんです?」

「ドラ◯エだよ!あのゲームに出ていた施設にそっくりなんだ。」

「有名なゲームですよね、異世界に転移出来るお話でしたっけ?」

聞いていたミユキも首を傾げる。

どうやら女性陣にドラ◯エは馴染が無いようだが、男達なら理解してくれるだろう。

此処にマナブ達が一人もいない事が悔やまれるのだった。

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