第174話 シーモに来訪
「ようこそ地球の方、私はこの町の管理を任されているイヅナと申します。
あなたがたの来訪を歓迎します。」
船が港に到着し、降りようとすると魔族の住民達が出迎えてくれる。
「歓迎ありがとうございます。
私はゴウといいます。
こちらにいるのは・・・」
俺はまず礼を言い、自己紹介をする、それにならい全員が名乗ってから話し始める。
「何故地球から来た者をここまで歓迎してもらえるのでしょうか?」
「それは、我等の祖先は同じ地球の者です、いわば同朋、来訪は歓迎する事です。」
「それはありがたいのですが、私は地球にいた時に貴方がたの存在は物語でしか知りませんでした。
自分の知識の無さを恥ずかしく思うばかりにございます。」
「我々の姿を知っていたのは地球でも一部の人と伝え聞いております、知らぬのは無理も無いかと。
それより我等に地球の話を聞かせていただけますか?」
「ええ、それぐらいならいくらでも、と言っても知っている事だけになりますが。」
「それでもありがたいのです。
伝え聞く世界がどのような所なのか是非・・・
おっと、気が急いておりました、このような野ざらしの場所で話すような事でもありますまい、まずは旅の疲れを癒やしていただき、その後にでも。
サンキ、ゴウさんを宿泊所へ案内しなさい。」
「わかりました。」
俺達は宿泊所へと案内されるのだがそこはまるで日本の旅館の様になっていた。
「これは旅館!!」
「そうです、日本の宿泊所として古来より愛されている宿です。
創業千年の由緒ある宿です。」
何処からどう見ても日本の旅館である、俺は異世界で見る日本旅館に心が踊っていた。
「この旅館の売りは何と言っても温泉です!
源泉かけ流し、美肌の湯としても名高く、創造神様がこの温泉に入られた後、子宝に恵まれたという伝承を持つのです。」
「子宝は神話にしても美肌の湯か、カスミちゃんとミユキさんは興味あるんじゃないかな?」
「「もちろんです!」」
「ゴウさん、なんで私を外したんですか?」
アヤカちゃんが俺を軽くつねる。
「アヤカちゃんはまだ美肌の湯に入らなくても・・・」
「あれ?ゴウ兄さん、それは私の肌に問題が?」
今度はカスミに腕をつけられる。
「ゴウさん、軽はずみな事は言わない方がいいですよ。
女の子の美に関する欲求は凄いんですから。」
ミユキに圧をかけられ・・・
「はい、ごめんなさい。
失言でした・・・」
俺には謝罪する道しか残されていないのであった。
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