第156話 謁見
「遠路遥々良く来たな、ラニアン王国、王太子ハーツ・ラニアンだ、貴殿らを歓迎しよう。」
ルートが城に来るとハーツ自身が出迎えていた。
「これは王太子自ら出迎えて頂けるとは、感謝にたえません。
私はジョージア王国子爵アモス・ルートと申します。
この度こちらに参ったのはクロエ王女からの要請を受け、我が国ジョージア王国では援軍を検討しているのですが軍を派遣するにあたり貴国の情報が少ない為、援軍の規模を考えるために私が事前調査として参りました。
貴国でいくつかの調査をお認め頂きたく思います。」
「それはありがたい、現在我が国は魔族の奇襲に合い苦戦を強いられているが、貴国の援軍を得ることができれば勝利は揺るがぬ物になるだろう。」
「どれ程の援軍を用意出来るかは調査結果を見た、我が国の判断になりますがクロエ王女に心情に寄り添おうとする者は多くの充分な援護を出来るようにしたいと存じます。」
「貴国でクロエが元気な様子で何よりだ、こちらが落ち着けばクロエも無事に帰国する事が出来るだろう。
その為にもジョージア王国には是非多くの援軍を願いたいものだな。」
「私の立場ではお約束する事は出来ませんが、お力にそえるようにしたいと思います。」
「うむ、そなた達には期待している。
さあ、そなた達を歓迎する宴を用意してある、今日は旅の疲れを癒やして欲しい。」
「今は非常時では無いのですか?
悠長に宴をしているような場合では・・・」
「大丈夫だ、我が国とてそこまで追い詰められている訳では無い、現に今、敵の横に橋頭堡を築き攻撃を加えているのだ、そうだ宴の前にその様子を見れば我が国の優位もわかるであろう。」
ハーツは城のテラスにルートを案内する、そこからは海がよく見え、海岸に築かれた埠頭も良く見えており、現在も埠頭の一つから魔法を放っている様子が見えた。
「あそこに見えるのが我が国の英雄プレザが指揮する部隊だ。
此処からでもわかるように敵に対して攻撃を加えているのだ。」
「たしかに押し勝っているように見受けられますね。」
ルートの見る限り敵からの攻撃に耐えながらも攻撃を加え善戦しているように見受けられる、部隊自体小規模のようだがもっと多くの軍が配置されれば押し勝てるように見えた。
「何故、軍を増員なさらないのですか?」
「今騎兵を向こうに送る準備をしているのだが、馬を向こう岸まで運ぶ事に難儀しているのだ、まあそれもプレザがなんとかする予定だな。」
「そうでしたか、一度向こうを確認してもよろしいですか?」
「それは構わんがまずは宴を楽しむと良い、貴殿達の為に用意したのだからな。」
ルートも王太子であるハーツの誘いを断る訳にもいかず、宴に参加するのであった・・・
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