第154話 城に行こう
「ゴウ様は城に向かわないのですか?」
「どうも城には抵抗があるからね、そもそもその招待はルートさんに来ている物だし。」
「その件につきましてはジョージア王国の貴族の一人として謝罪しかございません。」
ルートは深く頭を下げる。
「ルートさんが悪い訳じゃ無いから頭を下げないで。」
「いえ、仮にも王族の一人が失礼な真似をしたのです、ジョージア王国の失態として責任は多くの貴族にもございます。」
「私としては城に行かないというワガママを通しているだけで充分だから。」
「・・・その点をなんとか改善したいと言うのが私達貴族の気持ちなのですが。」
「ルートさんは信じれそうだけど、今すぐは無理かな。」
「わかっております、ですのでいずれはということです。」
「前向きに考えさせてもらうよ。」
「今はそのお言葉で充分にございます。
しかし、この招待ですが来る来ないに関わらずゴウ様の名前が合っても良いと思うのですが。」
「どうなんだろう、一度少し会ったけど、その時は物腰の柔らかい雰囲気だったけど、最後はクロエさんの事を最後に伝えた事を怒られたからね。
嫌われてしまったのかも知れない。」
「・・・なるほど、たしかに家族の心配をしている方ならクロエ王女の事が後回しにされたら勘気に触れてしまったのかも知れませんね。」
「たぶんね、まあそれについては私の配慮が足りなかっただけだから、失敗したなという話がなんだけどね。」
「いえ、それにしてもラニアン王国としてゴウ様はクロエ王女の命を助け、ジョージア王国との縁を繋いだ救国の英雄になるはずです。
その方を存外に扱うとは、王子の器量の底も見えたというものですね。」
「ルートさん、なるべく先入観無しで見てあげてください、私は別に怒っている訳では無いのです。」
「わかりました、ゴウ様がそう言われるならこの件は一先ず置いておきましょう。」
ルートが自分の事で怒ってくれている様子に嬉しくもあるのだが、自分の事で国同士の国交に影響があってもいけない、俺はルートをなだめるのだった。
「では、我々は城に向かおうと思いますがゴウ様はどうなさいますか?」
「私はこのホテルでのんびりさせてもらうよ。
そうだ、ルートさんこの水上バスを使ってください、3種類のチケットをお渡しするので行きたいチケットの入口のバーコードリーダーにかざしてくれたら目的地に着きます。」
俺は一隻の水上バスを喚び出し実物とともに説明を行う。
「これがあればゴウ様が指定する場所に行けるのですね。」
「一応定期船は運行してますが、こちらを使えばルートさんの都合に合わせて移動できますので便利だと思いますよ。」
「ありがとうございます。
活用させていただきます。」
ルートは礼を言うと城に向かっていくのだった。
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