第153話 ポメに再上陸
「着きましたよ、ここがポメです。」
俺は数日ぶりにポメに戻ってきていた。
俺の船の入港を見たのか、埠頭にはマッサが来ていた。
「ゴウさん、先日はうちの店の者が取次ぎをしなくて申し訳ない。」
「いえいえ、私こそ約束も無しに訪問したのです、会えないのは致し方ありませんよ。」
「そう言ってもらえて良かったです、今後はこのような事が無いように致します。」
「お気になさらず、それよりプレザさんと連絡はつきますか?
あちらも同じように会えなかったものですが、今回は引き合わせる必要がある人達を連れて来ましたので連絡を取りたいのですが。」
「それならば私どもの方から連絡いたしましょう、プレザもゴウさんの事を気にしていましたからすぐに連絡がつくでしょう。」
「それならお願いしてもいいですか、私達は此処に滞在していますので連絡がつけばこちらに来てもらえたら。」
「わかりました、しばらくお待ちください。」
プレザとの連絡はマッサに任せて俺達はひとまず旅の疲れを癒やす為にホテルへと入る。
「ゴウさん、よく帰って来てくれました。」
しばらくするとプレザがやって来る。
「連絡がつきましたか、お忙しいとこすみません。」
「いえ、ゴウさんとの関係が最優先です。
それで私と引き合わせたい者とは?」
「こちらジョージア王国の調査団のルートさん、援軍が送れるかどうかの先行調査に来てくれました。」
「なんと、ジョージア王国が援軍を送ってくれるのですか!」
ゴウの言葉にプレザは驚きを見せる。
「それは私の口からはなんとも言えないのですが、ルートさんどうなのでしょう?」
「この調査結果次第になると思います。
ただ、クロエ王女の説得もあり、我が国では前向きに検討している次第にございます。
つきましては責任者との会談をお願いしたいのですが?」
「わかりました、現在この町はハーツ王太子殿下が取り仕切っておられます。
私の方から一報差し上げますので暫しお待ちいただけますか?」
「ええ、私達としては援軍の規模などを検討する為にも色々調査させてもらいたい事を合わせてお伝え願えますか?」
「わかりました、ルート殿、よしなによろしくお願い致します。」
プレザはルートと握手を交わし、一度報告の為に城に向かっていく。
「ハーツ殿下、ジョージア王国から使者が参っております。」
「ジョージア王国から使者だと!」
「はい、彼らは援軍を送るための事前調査に来ているようにございます。
つきましてはハーツ殿下との会談と事前調査の為に色々調べさせて欲しいとの要望が出されております。」
「それは朗報だ!すぐに会えるように・・・
いや、歓待の準備もいるな、明日あらためて会うと伝えてくれ。」
「わかりました。
それと彼らがこちらに来た理由ですがクロエ様がジョージア王国で説得なされている殿事にございました。」
「おお、クロエは離れた地でも国の為に尽くしてくれているのだな。」
「はい、御立派になられておられるのですね。
私としてはハーツ殿下の後ろに隠れていた昔のお姿しか知らないので存外に驚かされてしまいました。」
「プレザが知っているクロエはまだ子供だったからな、今はかなり綺麗な姿になっているぞ。
帰って来るのを楽しみにしておくのだな。」
「懐かしいですね、戻って来られたら一度お目通りを願いたいものです。」
「なに、国の英雄となるお前だ、いくらでも会う機会はあるだろう。」
上機嫌なハーツはその後プレザと一献を交えラニアン王国の明るい未来について語るのであった・・・
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