第150話 移動
翌朝、朝食を取ったあと、出発するのだが、全員の厚い視線を感じる。
「え、えーと、皆さんゆっくり休めましたか?」
「はい!全員英気を養いました!」
「それは良かった、これから船でラニアン王国のポメに向かいます、丸一日かかりますので船内にてもう少し休んでもらう事になります。」
「どのような、雑務でもお申し付けください。」
「その意欲は買いますけど、特にやる事は無いですよ。」
「しかし、船というものは色々やるべき事があると聞き及んでいますが?」
「私のチカラで出した移動手段ですので、特別だと思ってください。」
「ゴウ様はどれだけの物を喚び出せるのですか?」
「うーん、これでもまだ色々喚び出せる物が増えているからね、限界はまだ先じゃないかな?」
「まだ成長なされているのですね。」
「たぶんね、まあそれより船に行きましょう、乗らないと先には進めませんからね。」
俺はルート達を船に案内して説明をしていく、前日にホテルに泊まったこともあり、部屋の使い方などは簡単な説明で理解してくれた。
「ルートさんにお聞きしたいのですが、ラニアン王国のクロエさんはどう過ごされていましたか?」
「クロエ様は客人として迎えられております、今回の調査結果如何では次の遠征に参加されるかも知れませんね。」
「クロエさんが参加するのですか?」
「御本人が祖国の為に出来る事をしたいと、今回の調査にも同行しようと願い出ていたぐらいでしたが、ジョージア王国としても落ち延びられた姫を危険な場所に送る事は出来ないので今回は御遠慮いただきました。」
「そうだったんですね、道中と向こうでの滞在の安全は確保していますので次の時には向こうにいる兄と再会できますね。」
「兄?王家の生き残りがおられるのですか?」
「失礼、伝えていませんでしたね、ポメには現在王太子のハーツという方がおられ指揮を取られているそうです。」
「そうでしたか、それではその事も報告する必要がありますね。」
「先日、王都に戻った時に伝えておけば良かったですね。」
「大丈夫です、様々な事を調査するのが私達の役目ですから。
王太子がいようといまいとやる事は変わりませんから。」
失態を謝る俺にルートは気にしなくても大丈夫と告げる。
「あと私の施設の一部を使い反撃しているようです。」
「施設を使いですか?」
「ええ、私の施設に攻撃は効きませんが中から攻撃出来るのです。
それで内側から攻撃を行い敵の数を減らす作戦のようです。」
「たしかに攻撃が効かなければ一方的に攻撃出来ますね。」
「ええ、ラニアン王国もそう考えているそうで、私がジョージア王国に戻る際には攻撃している様子でした。」
「なるほど、ならばその様子は調査する必要がありますね。」
ルートは調べるべき事を手帳に書き記すのであった。
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