第147話 案内
俺達はルート達調査隊を連れて再びポメを目指すために港までやって来てきた。
「これがゴウ様の御屋敷ですか、素晴らしい物だ・・・」
ルートは港に隣接するホテルを見て驚きの声を上げていた。
「御屋敷というか、宿泊施設ですね。」
「いやはや、私が知る限り、ここは山を越えた未開の地だったはず、それなのにこれ程の物をお造りになられていたなんて。
これはもう神の御業です!」
目をキラキラ輝かせて褒めてくれるルートに俺は照れくさくも嬉しかった。
「折角ですので泊まって行きますか?
今から船に乗ると向こうに着くのは遅くなりますし、長い船旅です、体調を整えてから乗りましょう。」
「ありがたい!ゴウ様の御屋敷に泊まれたなんて妻と子にに自慢できます!」
「お子さんがいるんですね。」
「ええ、まだ小さい息子が一人。」
「小さいというと何歳ぐらいなのでしょうか?」
「今年で6歳になります。」
「そうですか、可愛い盛りですね。」
「いやいや、生意気なものですよ、勇者アキの伝説に憧れ、玩具の剣を振り回しています。」
「小さい頃はそんなものでしょう、ルートさんにも覚えがあるでしょう。」
「そうですね。 たしかに自分が子供の頃はもっと酷かった気がしますね。」
「そんなものですらそれより中へどうぞ、皆さんも遠慮なさらずに。」
俺の招きに遠慮しながらもルートを始め調査隊の一行は中に入る。
「これは素晴らしい・・・」
ロビーを見るなり多くが固まっていた。
「これが皆さんの部屋になります、あとこれが部屋番号ですね。扉に番号が書いてありますのでその部屋をお使いください。
あと食事は一階のレストラン・・・あの部屋で提供させてもらいますので時間になればお越しください。」
「何から何までゴウ様には感謝致します。」
「いえいえ、私からの依頼で遠方まで行く皆さんを歓待することは当然ですし、折角来てくれた皆さんに自慢したい気持ちもあるんですよ。」
「ありがたい、みんなもゴウ様に礼を言うのだ。」
「「「ゴウ様!ありがとうございます!」」」
ルートの後ろにいた調査隊からも感謝の声が聞こえてくる。
「さあ、部屋に案内しましょう、部屋の使い方も説明したいですし。」
「いや、ゴウ様に案内など、そのような畏れ多い事は・・・」
「遠慮なさらず、私が自慢したいのです、ここは私の自慢に付き合ってください。」
「お気遣い感謝致します。」
ルートは何度目にもなる感謝の言葉を口にして部屋に向かう為に俺の後をついてくるのであった。
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