第146話 一度戻ると
俺はジョージア王国の王都まで帰ってくる。
「ゴウさん、カスミさん、お帰りなさい。」
王都の駅に着くとマナブが出迎えてくれた。
「マナブくん、こちらの様子はどうかな?」
「お店は順調に繁盛してます、みんなも積極的にバイトに入ってくれているので労働力も問題ありません。」
「それは良かった、これからも管理をよろしく頼むよ。」
「はい、任せてください。
それとアリサ王女がゴウさんが帰ったら連絡がほしいと言ってました。」
「アリサ王女が?援軍が決まったのかな?
わかった、ありがとう。」
「いえ、お世話になっているのは僕達の方ですから。」
マナブは感謝を伝えてくる。
「マナブくんが頑張ってくれるからカスミちゃんのクラスメイトも頑張ってくれていると思うんだ。
その調子で頑張って。」
俺はマナブの肩を軽く叩き、アリサ王女への連絡を手配する。
「ゴウさん、お帰りになったのですね!」
連絡をするとすぐにアリサ王女がやってくる。
「ええ、少しジョージア王国に行ってきました。」
「簡単に行ける所ではないのですが・・・
いえ、ゴウさんなら簡単に行けるということなのですね。」
「まあ、そうですね、それで援軍の話はどうなりましたか?」
「はい、まずは1部隊を派遣して様子を確認する事が決まりました。
その部隊の情報をもとに派兵の数を検討する予定です。」
「なるほど、たしかに向こうの状況がわからないと援軍の規模も決まりませんよね。」
「その通りです、ゴウさんにはお手数をかけるのですが何度か往復してもらっても構いませんか?」
「構いませんよ、もともと私が持ち込んだ話ですし、鉄道と同じ様に定期的に航路を繋ぎますので移動に問題はありません。」
「・・・本当に規格外ですね。」
「まあ、自分でも自覚はありますよ。」
「いえ、お陰で助かる人も多くいますので・・・それでは早いうちに向こうに人を連れて行ってもらってもよろしいですか?」
「わかりました、準備が出来たら教えてください。」
「帰った早々で申し訳ありません。」
アリサは申し訳無さそうにするが俺は別段気にする話では無かった。
翌日、アリサと供に20人からなる部隊が現れ、俺を見るなり敬礼してくる。
「アリサさん、こちらの方々が?」
「はい、今回の調査団です。
ルート子爵ご挨拶を。」
「はっ!この度、調査団を率いることになりましたアモス・ルート子爵であります。
古の魔法使いのゴウ様と行動を供に出来る誉れに預かり恐悦至極です。」
「ルート子爵、普通に話してくれていいですよ。
古の魔法使いと呼ばれていますが私とは別の人ですので。」
「いえ、日本から来た古の魔法使いの方々には多大なる御恩がございます、たとえ違う御方だったとしても私共が非礼をしていい理由にはなりません。」
「堅苦しい事は抜きにしましょう、これから暫く旅路を共にするのです、気兼ねなくしてもらったほうが私の方も助かります。」
「ゴウ様がそう言われるなら私達も気につけますが・・・」
「お願いします。」
堅苦しい事は抜きと伝えたものの敬礼で答えるルートから堅さが抜けるには少し時間がかかるのだった。
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