第145話 帰国しようと
「さて一度ジョージア王国に帰ろうか。」
攻撃も始まり、道の駅の販売も順調な様子である、ラニアン王国でやるべきことは取り敢えず行ったと考え一度戻る事を考えていた。
「プレザさんに会うことはできますか?」
「なんだお前は!プレザ隊長は任務にあたっている最中だ!会うことは出来ない!」
「そうですか、それではプレザさんにゴウが来たことと一度帰ると伝えてもらえますか?」
「任務中だ、そんな話は後日すればいい話だ。」
「そうですか、一応伝えましたから。」
プレザに連絡を取ろうとしたのだが門前払いをされてしまう、俺はその足でマッサの店を訪ねる。
「マッサさんはいますか?」
「マッサ店長ですか?失礼ですが面会の約束がありますか?」
「いや、面会の約束はしてないけど。」
「はぁ、何処の誰だか知りませんけど、今店長はポメの町を救った英雄なんですよ、面会を望む人は数多くいるのに予定も無く会えるはずが無いでしょ。」
「そうでしたか、ではゴウが来たことと一度帰るという事を伝えてもらいますか?」
「はいはい、わかったわかった。」
俺は店員に伝言だけ伝えて埠頭に戻る。
「お兄ちゃん、皆さんに伝えてきたの?」
「会うことは出来なかったから伝言だけ残してきたよ。」
「私達もいつでも帰れる準備が出来てるよ。」
「じゃあ、帰ろうか。」
俺達は船に乗りラニアン王国を後にする。
「うん?あの船はゴウさんの船なんで出航してるんだ?」
最初に気付いたのはプレザであった、軍を指揮するとはお世辞にも言えない状況でありお飾り状態だった為に本陣で待機していた所に出航の際の汽笛の音が聞こえたのだ。
「私は一度向かう場所がある、ここはイース副隊長に任せる。」
「プレザ隊長、王命を無視して何処に行くつもりですか?」
「今回の作戦で一番大事な人の動向の確認が必要になったのだ。」
「一番大事な人?」
「そうだ、この施設の所有者でゴウという人物だ、もしかしたら彼がポメから出ていったのかもしれない事態が起きているのだ。」
「ゴウ・・・そういえば、そんな奴が来ていましたね。」
「なんだと!何故私に取り次がない!」
「その時は会議中でしたので一般人を通す訳にはいきません、そもそもこの場所は作戦行動の要の場所、一般人を入れる訳にはいきません。」
「彼は大事な人物なんだぞ!」
「プレザ隊長は王命で此処にいるのです、それより大事なことがあると言うのですか?」
「それは・・・」
「ならばお立場を考えて行動するべきです。」
「わかった、だが一度確認に向かう、これは作戦行動に必要な事だ。」
「わかりました、イース副隊長におつたえしておきます。」
プレザは隊長といえど何一つ命令権を持たない状況に悲しさを覚えるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます