第143話 戦争
プレザはハーツから預かった部隊を率いてゴウが指定したハーバーランドエリアにやってくる、ここはショッピングモールとなっているのだが現在テナントの無い状態になっており、ただ建物があるだけだった。
「プレザ隊長、この建物を拠点として使いましょう。」
「まて、この建物はとある人物の所有物だ、勝手に使うことはならん、拠点は外に置く。」
「プレザ隊長、こんな立派な建物があるのに野営をするなんて士気に関わります。
国家の存続の為に一時使用するぐらい、所有者とて覚悟の上でしょう。」
「まて、とにかく一度確認を・・・」
「プレザ隊長、我々が町の防衛から離れている分、城壁は危険な状態なのです、そんな悠長な事を言っている場合じゃありません。」
「・・・わかった、ただし建物を傷めないように配慮するように。」
王命により一部隊を任されたプレザであったが実質部隊を率いている副官イースは冒険者だったプレザを認めていなかった、部隊運用に関してイースが全て行い、プレザの意見は参考程度で進められていく。
「イース隊長、各隊配置に着きました。」
「私は隊長ではない、一応訂正しておくぞ。」
「失礼しました、副隊長!」
「いや、冒険者如きを隊長と呼びたくない気持ちはわかる、まったく殿下も幼馴染か知らないが現場が混乱するような真似は止めてもらいたいものだ。」
「誠にそうも思います。」
「それで隊長は何をしている?」
「はっ!後方に待機してもらっております。」
「ケガでもされては私達が叱責されるかも知れん、絶対に前に出すな。」
「了解です!」
「ならば、戦闘開始といこうじゃないか、報告は聞いているな?」
「はっ!結界内に敵が攻撃してくることは無いと伺っております、現に敵が我らを見ても一定の場所から侵入も出来ない様子でした。」
「なるほど、報告は正しかったのか?
いや、それでも警戒は怠るな、敵からの攻撃が来るものだと考えておくように周知しろ。」
「はっ!」
「よし、ならば攻撃を開始するぞ!」
イースは境目には盾を持った重装歩兵を配置し、その後ろから遠方攻撃用に魔術師、弓兵を配置していた。
「ファイヤーボール用意!
放て!」
イースの号令に従い魔術師達はファイヤーボールを放っていく。
「敵に命中!」
「イース副隊長、敵の一部がこちらに向かってきます!」
「重装歩兵、盾を構えろ!」
盾を構え受けようとするが敵は結界に阻まれ無防備に壁にぶつかったようになっていた。
「重装歩兵、槍で突け!」
盾を構えていた重装歩兵達はイースの号令に槍を突く、槍は結界を越えて敵を突き刺していく。
「これはいい、一方的じゃないか!
魔術師、弓兵思う存分攻撃せよ!重装歩兵は近づいて来た者を槍で指していけ!」
イースの指示のもとに次々と魔王軍は討たれていく、魔王軍が結界から距離を取るまで一方的な攻撃は続くのであった。
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