第134話 冒険者の二人と
「冒険者というのは、まあ偉そうに言った所で本質は便利屋ですね。」
ハボが説明を始めてくれた。
「便利屋ですか?」
「そうです、魔物を倒したり、素材を集めたりはまだいいですが、町の中の雑務なんかは何処にも冒険なんて無いですから。」
「それでも魔物を倒したりするんでしょ?
今回の件だって海に出てキングクラーケンと戦っていたじゃないですか?」
「今回は商人の護衛任務についていたから、ただあのままだと俺達はたぶん死んでいたな。
ほんとうにありがとうございます。」
ハボは深々と頭を下げる。
「ハボさんは魔術師と聞きましたがどんな事が出来るのでしょう?」
「そうですね、私は火属性魔術が得意です。
海の魔物とは相性があまり良くないのですが、それでも戦えるチカラはあると思っていたのですが・・・」
「キングクラーケンは別物だ、ハボ自分を卑下することは無い。
ゴウさん、ハボは一流の魔術師なんだ。それでも勝てない相手がキングクラーケンなんだ。」
「お二方ごお強いのは戦いを遠目で見させてもらってわかってます。
私のチカラは戦いに向いている物ではありません。
戦える勇気と実力があるお二人は尊敬に値します。」
「そんな事はありません、ゴウさんがいなければどうなっていた事か。」
「それならお互い様ということで。」
俺がグラスを差し出すと二人とも同じように。グラスをだして・・・
「勇気ある二人に敬意を。」
「寛大なゴウさんに感謝を。」
「今日の出会いに祝福あらんことを。」
「「「かんぱーい。」」」
俺達は乾杯するのだった・・・
酒も進み話の中・・・
「お二人にお聞きしたいのですが?」
「なんでしょうか?」
「現在のポメの町はどうなっていますか?」
「ポメの町は高い城壁で囲まてるいるから、魔族の侵攻に耐えている。
ただ、食料が無くなって来ていることが不安だったがゴウさんが運び込んでくれるなら、その不安も無くなった。」
プレザが代表して答えてくれる。
「そうでしたか、もっと情勢が悪いのかと思っておりましたが、大丈夫そうなんですね。」
「情勢が悪い事に違いは無いが、ポメの町にはハーツ王太子殿下が近衛兵とともに入城されたお陰で士気も上がったお陰で持ち堪えているが、果たして他の町がどうなっているのか・・・」
プレザは少し暗い表情を見せる。
「なるほど・・・」
ポメの町は例外であり、他の町の状況は良くない事がわかる。
それでクロエ王女が他国へ援軍要請という名の避難をしたのだろう。
「ゴウさん、ラニアン王国を救うことはできないのでしょうか?」
「俺には現状がわからないからね、なんとも言えないけど、安全地帯を提供する事は出来るかな?」
「安全地帯があるだけで違います、そういえばこの結界の中から攻撃は出来るのでしょうか?」
「試した事は無いです。
ですが出来ると、思います。」
「それなら一方的に攻撃する事も可能だと言うことですね。」
「たしかにそうなりますね。」
「お願いします、ポメを、ラニアン王国を救う為に協力してください!」
プレザとハボは深く頭を下げるのであった。
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