第125話 港に着くと・・・
港に着くとカスミが固まっている。
「どうしたカスミちゃん?」
「お、お兄ちゃん?」
「ここ・・・もう完全にリゾートホテルだよね?」
王都に合ったホテルは豪華で広さも充分だったが駅という縛りからくる窮屈さが多少なりともあった、だが今いるここは駅に直結しているとはいえ、完全に独立したホテルであり、広さからくる開放感があり、隣にはショッピングセンターが併設されている。
「まあ、横浜の埠頭が喚び出せたから・・・」
俺は今更ながら自重していない事を思い出す。
「お兄ちゃん、どれだけのチートをもらっているの?」
「さあ?まだまだ出来ない事もあるけど、少しずつ出来るようになってるな。」
「これより先があるの?」
「たぶんな。」
俺の能力の解放条件は俺の経験、チカラの使用によるものと推測していた。
この先どれだけの事が出来るようになるかは俺にもわからないのだ。
「お兄ちゃんって、本当にチートだよね。」
「まあ自覚はしているよ、でもこの力のお陰で生きていけるし、みんなを救う事も出来ているからね、感謝してるよ。」
「本当にそうだね、私も感謝しないとね。」
カスミも手を合わせて拝む。
「さて、出発は明日にして今日はホテルで休もうか。」
「うん、ミユキさんは先に行って準備するって言ってたよ、」
「おっと、それなら俺も手伝わないと。」
「違うからね、お兄ちゃんを出迎える準備をするって言ってたんだから少しぐらい遅れていかないとミユキさんも困るから。」
「いや、でもなぁ・・・」
「はいはい、それより施設を案内してよ、ショッピングモールとかあるんでしょ?」
「わかった、わかった、カフェとかが充実してたな。」
「いいね、お兄ちゃんと一緒にカフェなんてデートみたい。」
「デート?子供の引率の間違いじゃないか?」
「お兄ちゃん!デリカシーに欠けるよ。」
「はいはい、お嬢様ご案内いたしましょう。」
「むぅ、心がこもってない!」
カスミは文句を言いながらも俺の差し出した手を握る。
「へへ、お兄ちゃんとデートだ。」
俺の腕を組み嬉しそうにする。
「ホテルでミユキさんやアヤカちゃんが待ってるんだから少しだけだぞ。」
「はーい、わかってます。」
わかっているのかどうかわからない返事を聞きながら軽いデートを行うのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます