第120話 開店準備
マナブが主体となって店舗の準備を行っていく。
「マナブくん、何人が参加する事になったかな?」
「23人です。」
「そうか、勤務体制はマナブくんが決めていいよ、どうしても人が足りない時は休日にしてもいいから。」
「そんな緩い感じでいいんですか?」
「良いよ、別に俺はその商品で稼ごうという気はほとんど無いし、ただ付き合いで販売するだけだからね。」
「そんなものなのですか?」
「まあ注意事項として、勤務は8時間以内にする事、ブラックな勤務体制にしないように気をつけて欲しいかな。
あとは当然だけど商品を盗んだり転売したりは駄目だから。」
「・・・失礼ですが盗んだり転売したりはわかるんですか?」
「盗んだらわかるよ、その時点で駅及びホテルから追い出されるように設定したから。」
「・・・少し厳しくないですか?」
「信用できるかどうかの話だからね、カスミちゃんのクラスメイトとはいえ盗みをするような奴をカスミちゃんの近くに置きたくない気持ちもあるからね、厳しくさせてもらうよ。」
「転売については?」
「それは他から報せが入ればになるかな?」
「それだとわからない事もあるのでは?」
「まあね、さっきも言ったけど信用するかどうかだから、信用出来ない者に何かしてあげるつもりは無い。」
「・・・転売じゃなくて僕達自身が使う分を購入するのは有りですか?」
「有りだね、自分の分は自由に買ったらいい。」
マナブは話していて気付く、ゴウから感じるのは店についてあまり興味が無いのだ。
自分に丸投げしようとしているのを感じた。
「ゴウさん、資金管理はゴウさんが行うのですか?」
「そうだなぁ・・・
マナブくんに任せようか、君が店長としてみんなの勤務の管理と帳簿をお願いしよう。
補佐が必要ならその人員を雇っても良いよ。」
「わかりました、自分が店長として差配します、他に注意すべき点はありますか?」
「うーん、俺からの信用を失わないように頑張ってほしいかな?
俺としても君達を放り出すような事を出来ればしたくないからね。」
「わかりました、それで取扱う商品なのですが・・・」
マナブは販売する商品の値段について細かく打ち合わせる。
「マナブ、なんであんな奴の犬に成り下るんだ?」
話し合いが終わったあとマナブはリュウタに捕まる。
「犬じゃない、ゴウさんの提案にのって生きる術を手に入れる為に仕事をするだけだ。」
「お前はアイツに尻尾振って擦り寄っている犬とおなじだ!」
「口を慎め、俺達の生活を助けてくれているのはゴウさんだ、その人の頼みを受ける事は恩返しにもなるだろ。」
「くそっ!見損なったぞ!」
リュウタとは日に日に仲が悪くなっていくのを感じるのだった・・・
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