第116話 話をつける

「クロエ王女、アリサ王女に話をつけてきました、城の準備が出来次第城に向かう事が出来ます。

そこからはお二方のお話次第だと思います。」

俺はクロエとローズにアリサを通して話をしたことを伝える。


「こんなに早く・・・何から何までありがとうございます。」

クロエは頭を下げる。

「いえいえ、困った時はお互い様と申します、お気になさらないよう。」

「いえ、どれだけ感謝致しましても足りません、」

「まあ城に向かう準備が出来ただけです、ここから援軍を得られるかはクロエさん次第です。

頑張ってください。」

「はい。おまかせください。」


俺はクロエに話を伝えると次はカスミに会いに行く、あんな目に合わされて、どう声をかければ良いかわからないが、それでも側にいてあげる事が大事だろうと思う。


「カスミちゃん大丈夫?」

「お兄ちゃん!」

カスミは俺を見るなり抱きついてくる。

「カスミちゃんからお兄ちゃんって呼ばれるのは久しぶりだね。」

「いいの!お兄ちゃんはお兄ちゃんなんだもん!」

カスミが中学に上がったぐらいからお兄さんと呼ばれ多少なりの距離感があったのだが、今回怖い目にあったせいか幼児返りしたように甘えてくるようになっていた。


俺にヒシっと捕まり離れない姿は小学生の時によくあったのだ、懐かしくもあるのだが、カスミの成長した部分を感じてしまう事もあり、なんとも複雑な心境であった。


「カスミさん、その距離は親戚の男女の距離感では無いと思いますよ?」

「ミユキさん、いいのお兄ちゃんとはいつもこんな感じだからね。」

「昔はね、ミユキさんも気にしなくて大丈夫、怖い目にあったんだから身内に甘えたくなったんだと思うよ。」

俺はカスミの頭を撫でるとカスミは幸せそうに目を細める。


「ねえ、お兄ちゃん、私ね、ひとりで眠るの怖いの・・・

お兄ちゃんと一緒に寝ていい?」

「カスミちゃんそれは不味くないかな?」

「なにが?昔は一緒に寝てたよね?」

「まあ、そうだけど・・・」

「なら大丈夫!お兄ちゃんのお部屋で一緒に寝るね。」

たしかにカスミの家にお邪魔した時、カスミが離れず何度か一緒に寝たことはあるがそれは何年も前の話である、果たして中学生にもなっているカスミと一緒に寝ていいものなのか、俺は苦悩する。


俺が悩む中、ミユキとカスミはコソコソ話していた。

「カスミさん、そんなの駄目です、ゴウさんと一緒に寝るなんて、そんな、うらやましい・・・」

「あれ?ミユキさん何か想像してますか?」

「え、えーと・・・・」

カスミに突っ込まれ頬を赤く染める。

「お兄ちゃんと私はそんな関係じゃないから、大丈夫。

あっ!でもお兄ちゃんに求められたら、その時は・・・ねっ♪」

「ねっ♪じゃないです、不謹慎ですよ、ゴウさんの心配する心に付け込んで、一緒に寝ようとするなんて!」

「でも、怖いのは本当だよ、お兄ちゃんと一緒にいると安心できるし、それに私のピンチに颯爽と来てくれるなんて・・・

女の子ならわかるでしょ?」

「そ、それはわかりますけど・・・」

ミユキも奴隷に落とされた所から救われているのだ、ゴウに惹かれる気持ちはよくわかる。


「それにお兄ちゃんと一緒に寝るのは初めてじゃ無いし、お風呂だって一緒に入った事あるんだよ。」

「それは子供の時の話でしょ、私なんてゴウさんのを・・・」

ミユキも負けじとゴウとのエピソードを話そうとするが一緒にお風呂以上の話となると人に言うのが憚られる事故の話になり、ボソボソと言うしかない・・・


「なっ!ミユキさん!お兄ちゃんになんて事をしてるの!」

「わ、私はゴウさんの奴隷だから、そういった事も必然なんです。

ゴウさんだって気持ちよくなってくれましたし・・・」

「むぅ、良いもん、今晩からお兄ちゃんと一緒に寝るからいくらでも機会なんてあるから!」

「駄目です!」

ミユキとカスミが言い争う中、俺は苦悩しているのたった。

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