第115話 アリサと面会
翌日、エステを受ける為に訪ねて来たアリサに面会を求めて話をする。
「ゴウ様、お帰りになられていたのですね。
それなら城に一報くださればよろしかったのに。」
「昨日、来たばかりですので、それよりご相談したいことがありまして、お聞きくださいませんか?」
「ええ、いいですよ。」
俺はラニアン王国が魔族に攻められていること、そして救援を求めている事を伝える。
「ラニアン王国に救援ですか・・・
あの国とは海を隔てておりますので軍を送ることは難しいのです。」
「私なら魔物の攻撃を受けずに安全に向こうまで軍を送る手段があります。」
「ゴウ様のおチカラなら出来るのでしょう。
・・・わかりました、お父様にお話してみます。
ただ、国としての判断となりますので絶対に援軍を出せるとはまだ言えませんが。」
「ありがとうございます、つきましてはラニアン王国からクロエ王女がお越しになっています。
国王陛下にお目通りできるようにしてもらえませんか?」
「クロエ王女がこちらにお越ししているのですか?」
「ええ、偶然お会いする事になりまして、ともに王都に来ております。」
「そうですか・・・
クロエ王女にはすぐに城に滞在していただけるように手配致します。」
「感謝致します。」
「はい。
・・・長々ゴウ様のお側にいてもらうのも困りますので。」
「えっ?なんでしょう?」
「いえ、こちらの話です。」
アリサの笑顔から迫力を感じる。
「それともう一つ、こちらに滞在していたマコトについてです。」
「マコト・・・
たしかゴウ様の同郷ということで見受けなされた方ですよね?」
「ええ、彼が私の許可を得ずに高級石鹸の販売、私の親族に対して・・・いえこちらは置いておくことにしますが。
彼を追放と致しました。」
「追放ですか?」
「はい、彼は駅及び私が作る施設に入る事を禁じました。」
「わかりました、ジョージア王国としても彼を密売人として扱いましょう。」
「ありがとうございます。」
「・・・しかし、ゴウ様、密売だったとはいえ多くの女性が高級石鹸を手にしてしまいました。
今更それが無くなるというのはあまりにも酷い話だと思います。
どうか寛大な御慈悲で高級石鹸の販売を続けてもらえませんか?」
アリサは頭を下げて高級石鹸の販売を願う、今貴族の女性は我先にと高級石鹸を求めているのにそれが無くなるとなれば大きな混乱は免れないだろう、自分が頭を下げてでも販売を維持してもらいたかった。
「たしかに買っていた人に罪は無いよね、アリサさんの顔を立てて高級石鹸の販売を行いますが・・・
さて何処で売りましょうか。」
俺は販売方法を検討する、これまで販売していた商会があるみたいだが、裏流しを受けていた店に利益を渡す事に抵抗がある。
「ここで売るか。」
「ここですか?」
「ええ、駅にはスペースがありますからね、高級石鹸の販売を開始します。」
「ありがとうございます。」
「いえ、私の願いを聞いていただきありがとうございます。」
アリサはゴウが許可をくれた事に胸を撫で下ろすのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます