第114話 追放

駅の外は人が多数往来していた。

そんな中、いきなり全裸の男が現れる・・・


「きゃぁぁぁ!!変態よ!!」

女性の悲鳴が駅前の広場に響き渡る。

「ち、違う!俺は変態じゃない!!」

「何を言ってる!

こんな人通りの多い所で全裸になって、全開に勃ててる奴が変態じゃなくて何なんだ!」

「違うんだ!」

「黙れ変態!!」

マコトは事情を説明しようと女性に一歩踏み出した所で近くの男に殴られる。


「殴ったな!」

「殴って何が悪い!この変態!今女性に何をしようとした!」

「何もして無い!ただ説明を・・・

リエ!リエからも説明してくれ!」

マコトは群衆の中にリエの姿が見えた、だからこそリエの名を呼ぶのだ。


「人の名前を呼ばないで、変態。

こんな奴がクラスにいたなんて・・・

最低よ。」

「リエ何を言ってるんだ!これには事情があって!今は説明する時間が無いだけなんだ!」

「呼ぶなって言ってんでしょ!」

リエは石を拾い、マコトに投げる、それはマコトの大事な所を撃ち抜く。

「ぎゃあぁぁぁ!!痛い痛い!」

マコトは股間を押さえて転がりまわっている。


「ねえちゃん、容赦ねえな。」

「変態に知り合いみたいに呼ばれたのよ、最低な気分よ。」

「わからなくもねえが・・・

まあいい、誰か兵士を呼んでこい、捕まえてもらおうぜ。」

「だな、こんな奴が野放しなんて危ないからな。」

マコトは手当てされる事も無く、兵士が捕まえに来るまで股間を押さえてのたうち回っていた。


その場には血の跡が出来上がっていた・・・


兵士がマコトを捕まえ、簡易な治療をしてから取調べが行われる。

「マコトねぇ・・・今回で3回目か?

そんなに牢屋が好きか?」

「嫌だ!牢屋になんて行きたくない!」

「それならなんで街中で全裸で暴れていたんだ?」

「暴れてない!全裸だったのは急に駅から放り出されただけなんだ!」

「・・・駅内で全裸だったのか?

それはそれで問題があるな。」

「違ううんだ!説明は難しいけど人前で裸になりたかった訳じゃ無いんだ!」

「まあ、今回は路上で猥褻な格好をしたぐらいだ、一晩泊まっていくことになるが、身元引受人はいるか?

前回は・・・ゴウ様が引受人だったみたいだが、今回も連絡すればいいか?」

「・・・オセロさん、ボード商会のオセロに連絡してくれ。」

「ボード商会だな。

確認してみよう」

マコトとしても追放されたゴウに再び連絡を取る訳にはいかないと考えオセロにすがる事にするのだった。


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