第113話 救助
俺の頭の中でアラームが鳴る、ドラッグストアで盗難が起きたと知らせてくる。
「盗難?一般人は入れないはず・・・
何かあったのか?」
これまで盗難が起きたことは無かった、幸いドラッグストアの近くにいた俺は様子を見に行くと・・・
「カスミ!!」
俺はドラッグストア内でカスミに覆いかぶさっていたマコトを蹴り飛ばす、その時地面に血のあとが見えた。
「カスミちゃん、大丈夫か!」
「ゴウ兄さん!!」
カスミは俺に抱きつきワンワン泣き始める。
「ゴウ、なんでここに!」
「マコトくん、よくもカスミちゃんに酷い真似をしてくれたな!」
「酷い真似って、そいつから誘ってきたんだよ!」
「そんなわけがあるか!」
「ちっ、ならどうするって?」
「残念だけど君を追放させてもらうよ、駅、及び俺が呼び出す全ての施設の立入禁止とする。」
「いつまでだ?リエのように何ヶ月かで終わるんだろ?」
「はあ?終る訳無いだろ。」
「お前こそ大人としての責任を放棄するつもりか?
同じ日本人の高校生を異世界に放り出して良いと思っているのか?」
「別にかまわないと思っている、リエさんの事はミユキさんが説得してきたから許したが君を助けるために俺を説得出来る人がいるとは思えない。」
「それこそ差別だろ!俺は別にお前の命を取ろうとした訳でも無いんだぞ!」
「可愛い親戚の娘を泣かした罪は俺の命より重い!少なくとも二度と顔を見たくないな!」
俺はそう言い放つとマコトを立入禁止として施設から追い出す。
「カスミの大丈夫かい?」
「・・・うん、あいつはどうなったの?」
「二度と駅構内に入って来れない、ごめん最初からそうしとけば良かったよ。」
「ゴウ兄さんは悪くないよ・・・」
カスミは涙を浮かべながらも後悔する俺を慰めてくれる。
「ゴウさん、急に走り出して何があったんですか?」
一緒にいたミユキが俺を追いかけてやって来る。
「マコトを追放しました。詳しくは後で話しますが・・・
ミユキさん、カスミを風呂に入れてあげてもらえますか?」
「えっ?」
ミユキは乱れたカスミの服装と床に落ちている血液からなんとなく察する・・・
「わかりました、カスミさん、大丈夫ですからお風呂に行きましょう。」
ミユキはカスミの手を取り、風呂へと案内していく・・・
残った俺は店内を片付け、何も無かったかのようにするのだが、後悔の念が消えることは無かった・・・
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