第107話 見知らぬ・・・知り合い?
「なんだって、見知らぬ奴がホテルに来たって?」
「そうなんだ、マナブが話しかけに行ってるから早く来てくれよ!」
「何処に行けばいい!」
「ロビーだ!ロビーにいる!」
「私も行くわ!」
リュウタと一緒にいたカスミも一緒にロビーに向う。
その頃ロビーでは・・・
「貴方はマコトの知り合いか?」
マナブが俺に話しかけてきていた。
「マコトくんの?たしかに顔見知りではあるけど、君はなんで此処にいるの?」
「アレの知り合いか、俺達が此処にいる理由も知らないのか?」
「知らない、というか本当になんでいる?
日本人何だよね?」
「白々しいな、マコトの知り合いと言うなら俺達をどうするつもりだ!」
「どうするも何も、君達の事を全く知らない、それより今は来客中だから、話は後でいいかな?」
「何だと、私達の事がどうでもいいと言うのか?」
「話は後で聞くよ、此方も都合が合ってね。
すみません、クロエさん。
思わぬ客がいたようです。」
俺は騒ぎ立ててくる者がいることに謝罪する。
「ええ、予期せぬ事は有ると思いますから。」
「すぐに部屋を用意・・・」
「おい!話は終わってない!」
マナブが俺の肩に手をかけようとした時、ローズがその手を捻る。
「おい、姫様とゴウ殿の会話の邪魔をするな、お前は何処の者だ!」
「いたた!!離せ、離せよ!」
「所属を明らかにせよと言っている!」
ローズは警護として動いただけなのだが・・・
「おい!マナブに何をしてる!」
リュウタはローズに殴りかかる。
「仲間か。ふん!」
ローズはマナブを力任せにリュウタに投げつけ二人は絡み合うように倒れ込む。
「てめぇやりやがったな!」
リュウタはすぐに立ち上がる。
「何だ、チンピラ風情にしてはそこそこ出来るようだな。」
「うるせえ、仲間をやりやがってただじゃおかねえぞ!」
「姫様が滞在しようかという場所にそぐわない存在だ、私が叩き出してやる。」
ローズが向かい合う、騎士として訓練を積んできたローズと不良として喧嘩に明け暮れていたリュウタの戦闘が始まろうとしていたのだが・・・
「あれ?カスミちゃん?カスミちゃんだよね?」
「ゴウ兄さん?なんでゴウ兄さんが此処にいるんですか?」
殺伐とした空気の中、和む声が聞こえてくる・・・
「ゴウ殿、お知り合いか?」
「そうです、こちらは俺の親戚の霧谷カスミちゃんです。」
ローズは知り合いと聞き、矛を収める。
「カスミどうなっているんだ?あの人は?」
「親戚のお兄さん、子供の頃から知ってるから信頼出来る人だよ。」
「しかし、あのマコトと知り合いと言っていたぞ。」
「大丈夫、ゴウ兄さんなら絶対私達の味方をしてくれるから!」
カスミの信頼する姿にリュウタとマナブも多少の疑心はあれど話を聞くぐらいには矛を収める。
「カスミちゃん、ちょっとだけ待って。
クロエさん、思わぬ所で親戚に会ったのです、少しだけ時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
「私はゴウさんに全てをお任せしている身です、どうぞお話を優先してください。」
「ありがとうございます。
ミユキさん、クロエさん達を部屋に案内してもらえる?」
「わかりました、皆さんこちらにどうぞ。」
ミユキは空いている部屋を確認したのち、クロエ達を部屋まで案内していく。
「じゃあ、カスミちゃん話を聞こうか、カスミちゃんの知り合いの二人も話を聞かせてもらえるかな?」
俺達はロビーのソファーに座り話を始めるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます