第106話 王都に到着

1時間後、俺は電車を走らせ王都に向かっていた。

「早いです!!ローズ見てください、景色が吹き飛んで行きますよ!!」

窓を眺めるクロエは驚きにはしゃいでいた。


「落ち着きくださいクロエ様!」

ローズが嗜めるもののクロエの興奮は収まらなかった。

「ゴウさんこれは何なのですか?」 

「電車といいます、施設そのものは鉄道と読んだりしますが。」

「電車、鉄道ですか・・・

あのこのような施設はジョージア王国には多くあるのですか!」

「多くは無いですね、いくつかの街を繋いでいるにすぎません。」

「それでもこの早さで街を繋げばどれ程の物が運べるか・・・

ゴウさん、これは私の国、ラニアン王国にも作ることは出来るのですか?」

「私が行き、土地の所有者の許可があればできます。」

「できるのですか!」

「はい、これは私のチカラで作っています、別段作れないとは思えません。」

「チカラで?

ゴウ様はジョージア王国に伝わる魔法使いなのですか!」

「違います、それは別人ですね。

ですが王国からはそう呼ばれています。」

古の魔法使いの名は海を越えたラニアン王国でも伝え聞こえていたのだ。

クロエからの対応が一段と丁寧な物になるのだった・・・


「到着です、此処にもホテルがあるので一先ずこちらでお休みください、アリサ王女と面会出来るように手筈を整えて来ます。

ミユキさん、クロエさんの案内頼めるかな?」

「わかりました。」

俺はクロエ達を連れてホテルのロビーに向かうのだが・・・

「あれ?人がいる?」

ホテルはコウタ、マコト・・・日本人の使用しか許可していない、リエは俺が駅に着いた時点で外に出されているはずであり、俺が滞在中は駅に入ることが出来ない、見かける人影に違和感を覚える。


「なぁ、あれ誰だ?」

マナブはクラスメイトのヤスシと話している最中にロビーに来たゴウを見かける。

「ここは日本人しか入れないとか言ってたのに、後ろにいる女の人は日本人じゃないだろ?」

「たしかに金髪の日本人なんて染めてないといないよな。」

「・・・ちょっと、話しかけてくる。

これ以上、アレみたいな横暴な奴が増えると困るからな。」

「俺も一緒に行くよ!」

「ヤスシはリュウタを呼んできてくれ、何かあればアイツのチカラはバカに出来ないからな。」

優等生マナブと不良リュウタ、本来なら結ばれないはずの信頼関係が異世界に来てから生まれ強固な絆として存在していた。

「わかった、すぐに呼んでくるよ。」

ヤスシは走ってリュウタの部屋へと向うのであった。

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