第102話 邪魔

「おい、そこの女。私の部屋に来い。」

マコトはカスミに声をかけるのだが・・・

「あんちゃん、話なら俺にも聞かせてもらおうか?あぁん?」

リュウタがマコトの肩を抱き質問する。

「ひぃ、な、何をする!」

「なんだよ、何を怯えてんだ?

話があるなら聞こうじゃ無いか!」

「お前に話は無い!話があるのはそこの女の子だけだ!」

「残念、女の子は簡単に男の部屋に行っちゃいけないだ、そんな事日本人なら常識だろ?」

「そんなの関係無い!此処では私が法だ!」

「なら裁いてみろよ、その前に一発いかせてもらうがな。」

リュウタはニヤリと笑う、その笑いはマコトの記憶にある牢名主に似ていた・・・


「ヒィッ!イッパツって!イクッて!!お前まさか!」

「何だよ!一発じゃ足りねぇってか!」

「そ、そんなのは嫌だぁ!!」

マコトは逃げていく、マコトの中で一発といえば身も毛もよだつような暗い牢屋を思い出す事であった。


「なんだったんだアイツ?」

「わからないけど、あんまり酷い事しちゃ駄目だよ。」

「俺がいじめてる訳じゃねえよ。」

リュウタにもわからない状況だがカスミを始め、女の子達の貞操は不良達の活躍により守られていた。


「何なんだよ、アイツラは、女の子に声をかけたら集まって来やがって、俺は二度とあんな目には遭いたくないのに!!」

マコトは自室で嘆いていた。

「マコト、どうしたんだ?」

コウタはマコトが自分の事しかしない為、ゴウに頼まれた石鹸の運搬を行い、神父の仕事として治療活動に精を出していた。

その為、中学生の対応にはほぼ関与しておらず、マコトがカスミを狙っている事を知らなかった。


「コウタ、最近の中学生は生意気なんだよ、俺に逆らいやがって!」

「逆らうも何も此処でお前の権利なんて無いだろ?

ゴウさんに世話になっている同士、同じじゃないか。」

「違う!俺がアイツラを受け入れてやったんだ!アイツラを自由にする権利は俺にあるんだ!」

「いや、無いだろ?お前は何を言ってる?」

「うるさい!クソっ!面白くない!!」

マコトは日々荒れていく、金こそ大量に稼ぐことが出来ていたがそれは自分を慰める事にはならなかった。


そんなある日、カスミが一人で歩いているのを見かける・・・

普段なら部屋に誘っているのだが、話しているうちに他の奴等が集まってきて連れて行く事が出来ない。

マコトは強行手段に出るのであった・・・

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