第97話 取引
「オセロさんいい話があるんだ。」
マコトは以前働いていたオセロの所を訪ねていた。
「貴様、よくも私の前に顔を出せたな!」
「何を怒っているんだよ。」
「貴様のせいでどれだけ迷惑してか!」
「まあまあ、なんの話かわからないけど、今日はいい話を持ってきたんだ。」
「なんの話かわからないだと!お前がゴウ様を襲撃したせいでいらぬ取調べを受けたんだぞ。」
「取調べ?ああ、あれは兵士が悪い、ちゃんと確認してくれたらゴウの奴も応対したのに。」
「なに?ゴウ様の知己を得たのか?」
「得たも何も今日はゴウが取扱う商品の販売をオセロさんに任せようかと思って来たんだけど?
その態度じゃ他の所にしたほうがいいのかな?」
「待て待て、それなら話を聞こうじゃ無いか。」
「どうしようかなぁ〜」
「マコト、何も言わずにこれを懐に入れるといい。」
オセロは黙って金貨の入った袋を渡す。
「まあ、今はこれでいいか。
実は先日から石鹸の販売が始まったけど、その上位品があるんだ。」
「ゴウ様の取扱う石鹸はかなり品質が良いと聞くが・・・」
「あんなの安物、安物。
平民はともかく、お貴族様が使うような物じゃないね。」
「ほぅ、つまりそれ程良いと?」
「もちろん、まあこれがサンプル何だけどな、美にこだわる人が使えば手放せなくなる事間違い無しだ。」
「サンプルというと確認しても良いかね?」
「もちろん、使ってみてくれ。」
マコトの口車に乗り確認する・・・
「なるほど、香りも髪への艶も違うようだ。
マコトこれの取扱いを任せてくれるのだな?」
「そうだよ、売り上げの八対ニでどう?」
「八対ニじゃメリットが少なすぎる、せめて六対四はどうだ?」
「転売だけで四も取る気か?
こちらとしては他でもいいんだぞ?」
「・・・ゴウ様の名前を使って良いなら七対三でいい。」
「ゴウの名前?そんなの好きに使えばいいじゃん、七対三で決まりね。」
「よし、ならば契約書を書いてもらう。」
「はいはい、サインを書いたらいいんだろ?」
「すぐに手配する。」
オセロはマコトの気が変わらないうちにと急ぎ契約書を作成する、其処には毎月取扱う量とそれが出来ない場合の違約金についても書かれていた。
「えーと、ここにサインすればいいんだな。」
「読まないのか?」
「ちゃんと書いてあるんだろ?読んだ読んだ。」
マコトは簡単にサインする。
「じゃあ品物は駅にあるから取りに来てくれよ。」
マコトは意気揚々と帰っていくのであった・・・
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