第96話 海のある駅

「うーみーだー!!」

俺達は海のある場所までやって来ていた、ただ周囲は何も無く、林の中に駅があり、眼の前に海が広がっている。

「ゴウさん子供みたいですよ。」

「あはは、誰も聞いてないからいいじゃん。」

「ゴウさん、私達はきいてますよ。」

俺はミユキとアヤカの二人に呆れられていた。


「でも、何も無いですけど、これからどうします?」

「そうだね、まずは港を作ろうか。」

俺はスキルから港を選ぶ、作れるのは観光港と漁港であり、俺は観光港を選択していた。

眼の前の海に埠頭とターミナルが作られていく。


「駅直結なんですね、でも大きいです。」

地方に住んでいるミユキには見たことも無い大きさの港が作られていく。

「横浜の埠頭を作っているからね、大きいよ。」

「ゴウさん、何もない場所には大き過ぎませんか?」

「何も無い場所じゃないと大きいの作りにくいからね。

それに王都を拠点にしないなら此処を拠点にしようかなって思ってね。

ここなら、来る人も少ないだろうし。」

此処に来るためには山を越え深い森を踏破しなくてはならない、鉄道以外の方法で来るにはかなりの苦労がいるだろう。


「そうなると私達の家ということですか?」

「まあ、暫くはそうなるかな?一応港だから今後人が来る可能性はあるけど、鉄道を動かさないなら人が来ることは少ないと思うな。」

「何処かの部屋に寝所を作りますか?」

「いや、ここもホテルがあるんだ。」

俺が指差す方向の埠頭にホテルが出来ていた。


「取り敢えず、今後についてはホテルで話そうか。」

俺達は駅からホテルに向かう、途中、埠頭の周辺を見るがレストランやカフェが既にできていた。

「ゴウさん、此処に私達だけですか?」

「まあ、今の所はだね。」

「贅沢過ぎませんか?」

「まあ、特権ってやつだね、人が増えると満喫できないかも知れないから、楽しむなら今のうちがいいかも知れないね。」

「・・・ゴウさん、お願いがあるんです。」

「なにかな?」

「リエに駅の使用を許してもらえないでしょうか?

ゴウさんの命を狙った事が許されることじゃないのはわかっています、でも日本の品が手に入らないのは本当に大変なんだと思います、ゴウさんのいる場所に立ち入れないのは当然にしてもせめていない場所への立ち入りは許可してもらえないでしょうか?」

「まあいいか、ただし俺がいる駅には立ち入れないし、俺が後から入っても追い出される事にするけど構わないかな?」

「はい!ありがとうございます。

その代わりに私にできる事ならなんでもしますから。」

「女の子がなんでもするなんて言ったら駄目だよ、勘違いするかも知れないからね。」

「勘違いじゃ無いですよ?

なんなら試してみます?」

ミユキは胸元をグイッと引っ張り少し胸をだしてくる。

「ちょ、ミユキさん!」

「むぅ、ミユキさん胸をアピールするのは卑怯です。」

アヤカは自分の胸を触りながら悔しそうにしている。

「アヤカちゃんはもっと大きくなってからだね。」

「うう、ゴウさん、楽しみにしててね。」

ミユキの勝ち誇った笑顔にアヤカは悔しさを滲ませながら俺の方をむくのであった。

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