第92話 理解出来ない
「おいマコト、あの態度は無いだろ!」
「えっ?なにが?」
「なにがじゃないよ!もっとゴウさんに感謝しないと駄目だろ!」
「なんで、こんなチカラがあるんだぞ、俺達の面倒見るぐらい当然じゃないか?」
「そんな訳無いだろ!ゴウさんの厚意で保護してもらっているだけだぞ。」
「なんでだよ、ゴウは大人だろ?俺達子供の世話をするぐらい当然じゃないか。」
「その考えは止めろよ、まったくゴウさんに牢屋から出してもらったんだ、もっと感謝しろよ。」
「そもそも最初からホテルに入れるようにしておけば牢屋に入れられる事も無かったんだ。」
「それは不審者を入れない為だろ、俺達の事を知らなかっただろうし。」
「いいや、知ってたはずさ!近くにミユキさんがいるんだろ、絶対に話しているはず、なのに俺達を入れるようにしなかったのはアイツの怠慢だね。」
「お前は・・・
いいかよく聞けよ、リエはゴウさんを傷つけようとして出入り禁止になっているんだ。」
「えっ?そんなの嘘だろ、リエってミユキさんの親友じゃないか。」
「そうだよ、ミユキさんの親友だけどゴウさんからしたら知らない娘だ、リエは話している最中に怒りのあまりゴウさんに攻撃を仕掛けてそれ以降立入禁止になったそうだ。」
「うわぁ~じゃあリエはホテルに入れないのか?」
「そうみたいだね、王都には来ているし、ミユキさんは許してほしいみたいだけど、命を狙うような奴をゴウさんが許す訳も無いし、どうしようも無いらしい。」
「リエはレズってたしな、よし、これでミユキさんの邪魔者は消えたな!」
「おい、聞いていたか、変な真似をすると追放されるんだぞ!」
「要はゴウに攻撃しなきゃいいんだろ?
大丈夫、俺に攻撃力なんて無いし、適当にホテル暮らしを満喫するさ。」
「もっと重く考えろよ、いいかゴウさんは俺達の面倒を見る必要性なんて無いんだ、本当に厚意で保護してくれているだけなんだ、その事に感謝して過ごさないと後で大変な事になるぞ。」
「わーわかった、わかってるって、感謝?してるしてるって、なに?拝んでおけばいいのか?」
「お前わかってないだろ!」
「大丈夫、大丈夫、程々に距離を取って付き合うからさ、そうだ部屋も離れた所にしておくか、そうしたら会うことも少なく出来るだろ?」
「・・・その方が良さそうだ。」
コウタは何を言っても聞きそうに無いマコトに呆れながらもゴウとは離れた所で暮らせば失礼な事も少ないかと思い、一番遠い部屋まで案内するのであった。
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