第90話 牢屋のマコト

マコトは再び牢屋生活になっていた・・・

「頼む!出してくれよ!」

「出すわけ無いだろ!国賓になられた御方を襲撃してただで済むと思うな!」

「だから、その人は知り合いなんだよ!連絡を取ってくれよ!」

「名前を答えれないのに知り合いも何も無いだろ!」

「だから話せばわかってくれるんだ!

そうだ!コウタ!コウタはどうなった!」

「コウタ?ああ神父さんか、あの人は襲撃に加担したわけじゃ無いことが確認されて釈放されているぞ。

全く神父さんを巻き込むなんて罰当たりな真似をしやがって!」

「違う!コウタは友人なんだ、あそこに住む人に何としても会わないといけないから一緒に行ってたんだ!」

「嘘を言うな!」

「嘘じゃない!コウタに神父に連絡してくれよ!あいつが無罪なら俺も無罪なんだよ!!」

マコトは兵士相手に必死の言い訳をするがマトモに取り合ってくれ無い。


「おう、マコトじゃないか。

また戻ってきたんだな!」

「牢名主さん・・・」

「何を他人行儀な、俺の事はサムと呼べと言っただろ。」

「そんな馴れ馴れしい呼び方なんて・・・」

「俺とお前の仲じゃないか。

お前も俺に会いたくて此処に戻ってきたんだろ?」

サムはいい笑顔でマコトの帰還を歓迎していた。


「い、いやだぁーーー!!

なぁ兵士さん!頼むよ!神父に連絡してくれ!せめて別の牢に!!」

「おいおい、マコト今日も元気にいい声を出すじゃないか。」

サムは嬉しそうにマコトの肩を叩く・・・


「サム、程々にな、俺は見ないから。」

「まって!!お願いします!!待ってください!!」

マコトの悲痛な叫びをおいて兵士は牢屋から離れていく・・・


「さぁ楽しもうか、夜は・・・

いや牢屋の時間は長いからなゆっくりとな・・・」

マコトの地獄の日々が始まるのであった・・・

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