第78話 面会

「私が桐谷ゴウですが君がコウタくん?」

「はい、日本から来た松田コウタです。」

「君の事はミユキさんから聞いているよ、たしかに松田コウタくんは日本から来た人に間違い無いよ。」

俺を伺うように見ていた騎士に伝える。


「それは良かった、神父にはお世話になっておりましたので、違った時はどうしたらいいのかと不安になっておりました。」

「それなら大丈夫、不法侵入しようとしていた事は特に問題にしないと上の人に伝えてくれないかな?」

「ありがとうございます!神父もお礼を!」

「ありがとうございます!」

「コウタくんとは少し話したいから騎士の方は少し外してもらえるかな?」

「かしこまりました、何かあればすぐにお呼びください。」

騎士は部屋から出ていく。


「神父をしてたんだ?」

「はい、幸い回復魔法を使う事ができましたから。」

「ジョブとかいうのを貰ったんだよね?」

「はい。」

「差し障りが無ければジョブを教えて貰ってもいいかな?」

「僕のジョブは赤魔道士です、回復魔法は勿論攻撃魔法も使う事は出来ますよ。

あの、ゴウさんはどんなジョブを貰ったんですか?」

「俺はジョブを貰っていないんだ、サファさん、神様とあった部屋で最初に現れた神と一緒に行った人を覚えているかい?」

「ええ、辞められる神様と一緒に一人ついて行ってましたよね、もしかしてそれがゴウさんですか?」

「そう、サファという神様だぅたんだけど私が貰ったのはこの駅や鉄道を作るチカラかな。」

「これを・・・」

コウタは自分の持つチカラと比べて全く違う事に驚いていた。


「サファさんは出来るだけの事をしてくれたんだと思う、君達が貰ったチカラを見るとそう思うかな。」

「たしかに今思えばサファさんでしたか、あの人は魂の容量とはいっていましたが私達の希望を聞いていた気がしますね。」

「君達は違ったのかい?」

「地球のファンタジーを参考にと言いながらジョブを決められそのままこちらに。」

「ジョブの説明とかは?」

「ありません、こちらに来てステータスが見えるようになりましたのでそれでわかったんです。」

「なるほど、それでミユキさんとアヤカちゃんも使い方がわからなかったのか。」

「ミユキさんって、前田ミユキさんのことですよね!

無事なんですか!」

「・・・まあ一応無事かな?

元気にはしてるよ。」

「良かった!それで今は何処に?」

「すぐに来るよ、今友人のリエさんが訪ねて来たみたいでその応対に行ってる。」

「リエって柏木リエですか?」

「そうだね、クラスメイトなんだよね?」

「はい、自由研究の班が同じだったんです。」

「そうか、それなら後で会ったら良いと思うよ、それとも今から会いに行く?」

「いいんですか?まあ話は知り合いのミユキさんから聞いたほうが早いかも知れないからね。」

「宜しくお願いします!」

「ちょっと待ってよ、アヤカちゃん、ミユキさんは何処に行ったかわかる?」


俺はお茶とお菓子の準備をしていたアヤカに声をかける。


「ミユキは駅前の酒場であの女と話してる。」

「コウタくん駅前の店だそうだ、行ってみるといい。」

「はい、ってゴウさんは行かないのですか?

それに此処に呼んだら・・・」

「以前、リエさんには命を狙われてね、駅への立ち入りを禁止させてもらっているんだ。」

「命をって、何が合ったんです!」

「・・・コウタくんも聞くと軽蔑されるかも知れないけど、ミユキさんと此処にいるアヤカちゃんを奴隷として買ったんだ、その事をリエさんは大層怒っていてね。」

「ど、どれい!!そんなクラスメイトが・・・ミユキさんが奴隷なんて!」

「自分が知った時には既に奴隷だった、というか奴隷を買いに行ったら二人が居たという話なんだ。

ただ解除の方法も無いそうだから、解除出来ていないんだ。」

「私は別に解除してもらわなくても大丈夫ですよ。」

アヤカは俺の隣に座り甘えるような仕草をする。

「ゴウさん・・・」

「違う!違うから!コウタくんの思っているような事はしてないから!」

俺はコウタの想像を打ち消すように訂正の言葉をかけるのであった!

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