第76話 取調べ
「リスク殿下、謹慎中に外出したことについて陛下に奏上申し上げます。」
「なっ、ミニマム騎士団長!待つのだ、少々息抜きに娯楽を求めて来ただけなのだ、悪いようにはせんから見逃してくれないか?」
「リスク殿下は古の魔法使いゴウ様に危害を加え謹慎中なのです、これを見逃せばゴウ様に申開きする余地が無くなります、陛下からも厳しい罰が降ると思いますが、お覚悟ください。」
「待て、話を聞いてくれ!」
「リスク殿下を城までお連れしろ。」
「ミニマム騎士団長!!」
ミニマムはリスクの言い分を聞くこと無く城へと送らせる。
「ミニマム騎士団長、ゴウという方が古の魔法使いというのは本当でしょうか?」
「陛下はそうお考えになられている。」
「そうですか、それならばゴウ様に面会願いたい。」
「何を言っている、お前はゴウ様に危害を加えようと企んでいるのだろう、そんな奴を会わせる訳にはいかない。」
「そんな企みなどございません、私共は大商人キヨタカ様から受け継いだ店を守り続けている事が誇りなのです。
そんな我々が古の魔法使い様に危害を加えるなど考える事もございません。
どうかお願いします!
私共にチャンスをくださいませんか!」
「・・・まずは取調べからだ、お前の所の従業員がハンマーを持って襲撃したことを憲兵が捕縛した、これについての申開きはあるか?」
「私はそのような指示をしておりませぬ、そもそもそんな目立つような襲撃をして何になるんですか?」
「嫌がらせ、脅迫にはなると思うが、お前が手を出すにはたしかに理由が乏しい気はする。」
「それと従業員の名前を聞かせてもらえませんか?私共も従業員全員に対して責任を持てるかと言われると難しいところがあります。」
「名は確かマコトと言ったな。」
「マコトですか、先日雇いいれた者ですな、日本から来たという触れ込みでしたのでキヨタカ様の御慈悲をという事で雇いいれました。
体力も無いので、使うに苦労していると報告があった者です。」
「日本から来たか、たしかに本人も日本から来たと言い続けている。」
「マコトが何を考えていたかはわかりませんが、決して私達商会は襲撃などということは行っておりません。」
「それも含めて調査は行なう。
オセロ神妙に調査に協力するのだ。」
「はい、私共は日本から来た方に敬意を払っております。
その事をどうかゴウ様にもお伝えくださいませ。」
オセロは深々と頭を下げるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます