第75話 襲撃の犯人は
「お前は誰に頼まれて襲撃した?」
「誰にも頼まれていない、あの中に知り合いがいるんだ。」
「嘘を言うな!」
「ヒッ!」
マコトの取調べは厳しかった。
憲兵としては王家から厳しく警備するように申し渡されたばかりなのに、まさかいきなり襲撃するような奴が出るとは思ってもいなかった。
「本当に違うんです、お願いします、本当に知り合いがいるんです!
連絡取ってください、僕は新庄マコト、伝えて貰ったらわかるはずです。」
「お前のような犯罪者と知り合いとは思えん、そもそも知り合いなら何故ハンマーを持って押し入ろうとした。」
「それは扉が開かなかったから・・・
でも会えば大丈夫なはずなんだ!」
「何処の世界にハンマー持って押し入ってくる奴と仲良くできるんだ!
こいつ、何かヤバイ薬でもきめめるのか?」
「薬なんてしてない!頼むから連絡をしてくれ!
前田ミユキさんがそこにいるはずなんだ。」
「前田ミユキ?聞いたことは無いな。
そもそもあの中におられるのはゴウという方だと聞いている。」
「ゴウ?だれそれ?」
「やはり知り合いでは無いじゃないか!
お前からは詳しく聞かねばなるまい、一先ず牢にぶち込んでおけ!」
「いやだ!牢だけは勘弁してくれ!
そうだ、ボード商会に連絡してくれオセロ会長が俺の身元を保証してくれるはずだ!」
「なるほど、黒幕はボード商会か、たしかにあそこはリスク殿下を支援していたな、今回の一件を恨んでの犯行か・・・」
「いや、違う、オセロ会長は関係無くて・・・」
「違うかどうかは我々が判断する、おいオセロ会長の身辺を調査するぞ、今回の一件何か裏があるかも知れん。」
マコトの言葉からオセロへの疑惑がかかる事になる。
マコトはそのまま牢屋に滞在することになるのであった。
その日の夜、オセロの所にはリスクが密かに来ていた。
「オセロよ、貴族に対してのロビー活動の資金を提出しろ。」
「リスク殿下、今派手に動けば陛下の御不興を買いましょう、資金は御用意いたしますが暫し時に見たほうがよろしいかと。」
「そんなのを待っていたらグランに全てを奪われてしまう!」
「たしかにグラン様に対して何かしらの対策は必要でしょうが、ケーワイ公爵様を始め貴族の多くがリスク殿下を支持している状況に変わりはございません。
今は腰を据えて構えていればよろしいかと。」
「そんなものか・・・
うむ、オセロが言うならそうなのであろう。
だが、大人しくするのも退屈な物だ、何か面白い物を提供してくれ。」
「かしこまりました、手配してすぐに贈りましょう。」
「うむ、さて懸念も晴れた事だ帰るとする・・・
なんだ?」
リスクが帰ろうとすると玄関方向から騒がしい声が聞こえてくる。
「オセロ!国賓ゴウ様を襲撃した疑いにより聞きたい事がある!」
騎士達が応接室に雪崩込んでくる。
「何事だ!」
「これはリスク殿下。」
騎士達は臣下の礼を取る。
「ミニマム騎士団長、これはどういう状況だ!説明しろ!」
「・・・リスク殿下、何故此処におられるのですか?」
「なに?不敬だぞ私の質問に答えないか!」
「リスク殿下は現在謹慎中のはず、それなのにオセロの元に来ているとは・・・」
本来繋がってない糸が繋がってしまうのであった・・・
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