第73話 駅開業

話し合いが終わった為に駅は翌日から開業となる、今の所王都ジョアで行える事は電車に乗り地方に向かう事だけである、ホテル及び売店、飯屋などの開業は様子を見てからということにしていた。

「なあ、やっぱりここって東京駅だよな?」

「間違い無い、開いてない所はあるけど造りは同じに見えるね。」

マコトとコウタは構内に入れるようになってから駅内を探索していた。

「やっぱりこの前の人力車に乗っていたのはミユキさんじゃなかったのか?何故かゆるキャラが引っ張っていたけど。」

コウタは逃走していたゴウ達を少し遠目だが見かけていた、自信こそ無かったもののミユキじゃないかなという気がしていたのだ。


「俺は見てないんだよな・・・」

マコトは少し口を尖らせていた。

「なんでむくれるんだよ、ミユキさんが無事なんだから良かったじゃないか、それに優しいミユキさんがこの駅を造ったなら僕達も保護してもらえるんじゃないかな?」

「それって!もう働かなくていいって事か!」

「働かなくっていいって、それニートの考え方だぞ。」

「うるさい!肉体労働のキツさをお前は知らないから言えるんだ!」

マコトと違いコウタは回復魔法で人を癒す仕事であり、教会も多くない回復魔法の使い手を使い潰すつもりはない為、労働時間は短めに設定されてあり、それ以外の多くの時間が自由になっていた。

それでいてマコトより報酬はかなり上なのだ、マコトが妬むのも無理は無かった。


「たしかに肉体労働の辛さはわからないけど・・・

それより、ミユキさんの隣に誰かいたような気がするんだよね、俺としてはそっちの方が気になる。」

「隣の?あー、それなら小さい女の子が乗ってたって聞いたぞ。」

「そうなのか?」

「酒場にいたやつの噂話だけどな、結構な美少女が二人並んで座っていたって話題になってたぜ。」

「小さい美少女か・・・

たしかこっちに来た時に母娘連れの人がいたよな、あの子はたしかに可愛かった・・・」

コウタはアヤカを思い出していた、記憶に残っていればいるのは不安そうな表情を浮かべいる表情なのだが、コウタにしてはそれが正に性癖を貫いていたのだ。


「おいおい、美少女って言っても小学生ぐらいだっただろ?」

「それが良いんじゃないか!!」

「コウタ落ち着け!」

「ああ、穢れなき乙女が成すすべもなく圧倒的なチカラに組み伏せられ・・・不安な表情を浮かべながらも身体は・・・」

「落ち着けコウタ!妄想が垂れ流しになってる!!」

「・・・おっと、いかんいかん、犯罪者になってしまう。

なぁ、マコト、こっちの世界でも少女に手を出したら駄目なのか?」

「知らねえよ!ただ牢には行くな、俺にはこれしか言えねえ・・・」

マコトも牢屋の暮らしを思い出し身を震わせる。


「おい大丈夫か?牢屋で何があったんだ!」

「い、言えねぇ!言えるわけがない!」

マコトとしても男にヤラれたなど友人に暴露する気にはなれない、何が合ってもこれだけは言うわけにはいかなかった。


「おっと、ここだホテルの入口だ。」

マコトは話を逸らす為に目に入ってきていてホテルの入口をアピールする。

「そうだな、さて中に入れるかな?」

コウタも言いたくない事が合ったのだろうと察して話題を変えるためにもホテルに入ろうとするのであった。

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