第63話 登城
俺達は遂に城に登城することになる。
「はあ、気が重い・・・」
「諦めてくれ、ゴウには済まないと思っている。」
馬車の中にはマルコと俺、そしてミユキとアヤカも一緒に来ていた。
「マルコ、二人を連れて行く必要ないんじゃないかな?」
「ヒホンと日本が同じかはわからないけど、ゴウの同郷ということなら一緒に連れてきて欲しいト連絡があったんだ。」
「二人共、俺から離れないようにね、いざとなれば身を守るぐらいは俺のチカラで出来るから。」
「「はい。」」
ミユキとアヤカは心配そうな表情を浮かべていた。
そして、城に入る。
マルコの案内のもと、先に進むと一人の男が行く手を遮るように立っていた。
「これはリスク殿下、本日はご機嫌麗しく。」
マルコは立っている相手に丁寧に礼をする。
俺とミユキ、アヤカはマルコにならい礼をする。
「これが父上が呼んだという平民か!まったく城に平民を上げるとは、父上も戯れが過ぎるな。」
「リスク殿下、陛下の御心は私達臣下にはわからぬもの、私共は先を急ぎますゆえ、今は失礼させて頂きます。」
「ふん!まったく何を考えているのやら・・・
うん?そこの女、顔を上げよ。」
リスクは二人を見て声をかける。
ミユキとアヤカは顔を上げるとリスクと目が合う・・・
「おお、なんという美しさだ、良しこのまま私の部屋に来るが良い。」
「リスク殿下!この者達は陛下がお呼びした者にございます。」
「父上には私から伝えておく、なに一人ぐらい良いであろう。」
「お戯れはお控えくださいませ。」
「黙れ!臣下の身でありながら王家に歯向かう気か!」
リスクとしてはグラン派であるアレス伯爵家の顔を潰せるいい機会だと考えていた、だがそれ以上に美しくきめ細やかな肌しているミユキを手に入れたくなっていたのだ。
「マルコ、これは断れる話か?」
「ゴウ、今は口を挟まないでくれ、俺が何とか説得するから!」
「おい平民、平伏してその女を差し出すが良い。」
俺はミユキの方を向く、こんな奴でも一応王子みたいだ、ミユキが望むのならそれも有りなのだが、ミユキの表情は真っ青になっており、どう見ても受け入れたい話では無いことは明らかであった。
「お断りします、招待されてこの扱いは納得出来る物ではありません。
マルコ、悪いが帰らせてもらう。」
「ゴウ!帰るってどうやって帰るつもりだ!」
「城って結構広いよな・・・ミユキ、アヤカ乗れ!」
俺は人力車を喚び出し、二人に人力車に乗るように指示を出す。
俺の能力は観光用の乗り物とそれに関わる物を呼び出せるようだ、能力開放の条件はわかりにくいがそれでも一覧表に出たものは呼び出す事が出来る。
「くっ、あはは!そんな物を出してどうするつもりだ!」
リスクは人力車を見て大きく笑うのであった。
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