第57話 東京駅に
お菓子を食べたあと俺達は部屋に入る。
俺が選んだ部屋は最上階な4階にある部屋であり窓の外には王都を眺める事が出来た。
「王都と言ってもそんなに高い建物は無いんだね。」
多くは一階だけであり、メインストリートと思われる場所でも2階建てぐらいであった。
「ゴウさん、駅の周囲に人集りが出来てますよ。」
ミユキは駅に集まる人達を見ていた。
「まあ物珍しさに来ているんだろう。」
赤レンガを積み上げた駅に驚いているのだろう人が集まって来るのは仕方無い。
だがまだ駅の立ち入りは認めていなかった、今後の話合い次第で運用方法を決めようと考えていたのだ。
それに何より今は日本の最上級のおもてなしを味わう事が先決である。
俺は人工温泉とサウナを満喫するために地下にあるスパへと向かうのであった。
王都で教会の神父となっていた松田コウタは突如現れた東京駅に驚いていた。
「東京駅が異世界に来たのか!
いったいどれだけの人が巻き込まれたんだ!」
コウタは慌てて駆けつけるものの、日本人が巻き込まれている様子は無い、いや中に入れないから断定することはできないがそれでも駅の構内に人の気配はなかった。
「おーい、コウタ!コウタじゃないか!」
「マコト!無事だったのか!」
「ぶじ・・・」
無事と聞きマコトには暗い記憶が蘇ってくる、思い出すだけでも震えがくるのだ。
「マコト!酷い顔だぞ!大丈夫か!」
「い、今は大丈夫だ・・・
それよりコウタも駅を見に来たのか?」
「ああ、どう見ても東京駅だよな?」
「俺にもそう見える、駅だけ転移してきたのか?」
「そんなはずは無いだろ、だが人の気配もしない。」
「中にも入れないんだぜ!」
マコトが入口に手を入れようとするものの透明な壁があるかのように手が止まっている。
「何か不思議なチカラがある?もしかして日本の東京駅に繋がっているんじゃないか!」
「コウタそれは本当か!日本に日本に帰れるのか!」
「可能性の話だって!いきなり東京駅が現れたんだ、帰れる可能性もあるんじゃないか?」
「なら何としても入る手段を見つけないといけないな!」
「ああ、これだけ広いんだ何処かに抜け道があるかも知れない。」
コウタとマコトは二人で駅周囲を隈無く探すのであるが結局何も見つけることが出来ないのであった・・・
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