第50話 帰還後
「ミユキ!大丈夫だった!あいつに何もされた無い!」
久しぶりにあったリエはかなり憔悴している様子だった。
「大丈夫、ゴウさんに何もされて無いから、ただ領主の貴族の方と少し揉めていたからアレスから離れていたの。」
「噂は聞いたわ、領主の息子がアレを捕まえようとしたんでしょ。」
「あれって・・・リエ、ゴウさんは悪い人じゃないわ。」
「何を言ってるの!最低な男じゃない!ミユキを奴隷にしてるのよ!許せない!」
ミユキがどれだけ説得してもリエはゴウを許せない事に変わりは無かった。
「そういえば、リエはどうやってお金を稼いでいるの?」
「えっ?」
「私はお金が無くて奴隷になっちゃったけど、リエはちゃんと稼いで生活してるもんね、凄いと思うよ。」
ミユキに褒められて少し嬉しそうに微笑む。
「私は戦闘系のチカラをもらったから、町の外に出て、ちょっとケモノを狩ればお金なんて手に入ったわ。」
「そうなんだ、リエは強いね。
でも気をつけてよ、この世界には魔物もいるみたいだし、リエが傷つくなんて嫌だよ。」
「あーもう、ミユキは可愛いな!」
リエは嬉しそうにミユキに抱きつく。
「ちょっと、リエ!」
「私は大丈夫よ、ケダモノなんかに負けたりしないから。」
「ケダモノ?」
「あっ、ケモノ、ケモノよ、ちょっといい間違えちゃった。」
「そう?でも気をつけてよ。町の外は危ないって聞くし。」
「大丈夫だって。」
ミユキはリエがお金を稼いでいることに安心する、そして自分が出来なかった事をやってのけているリエを尊敬していた。
「なあマルコ、再開してから乗客率がほぼ100%なんだが、普通急遽止まった鉄道にすぐに乗ろうと思うか?」
「それなんだが、最近町の周辺で行方不明になる人が増えてきてな、街道を行くのも危険だと考える人が結構いるんだよ、その点鉄道は早いし安いし、安全に着くだろ?」
「まあね、汽車や駅は魔物の攻撃を受けないよ。」
「だろ?それは使っていた人達はよく知ってるから、それに今回の一件は兄上がゴウから強奪しようとしたことが原因だと知ってるからな、停止したのも仕方無いと考えている者も結構いるんだ。
まあ、その分アレス家の名は落ちたけどな。」
「落ちた分はマルコが上げればいいだろ?」
「簡単に言うなよ。」
「なに、鉄道を敷設していけばその利便性を求めてくる人達が増えるだろ?
それに新たに海沿いを開発しようと思うしな。」
「開発って何をする気か聞いてもいいか?」
「港を作って近隣と結ぶ定期船を作ろうかなとね。」
俺が今呼び出せる船は観光船と釣り船である、だが観光船とはいえ近海を進むぐらいは問題無く行うことができる。
「定期船・・・
海を渡るのか!」
マルコは目を丸くしていた。
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