第49話 帰還
「さて、アレスに帰ろうか。」
一通り話した所でマルコがアレスに帰ろうと促してくる。
「マルコ、俺はもう少しここにいるよ。」
「ど、どうしてだゴウ!もしかしてまだ怒っているのか!」
「マルコに対して怒ったりしてないさ、ただここには海があるだろ?港を作れば他にも出来る事が増えるかも知れないからね。」
「港を作る?ゴウ駅だけじゃないのか?」
「港も作れる、ただ今作れるのが魚を取る為とか船遊びをする為の小さな港なんだ、だけど一度作れば他のチカラが出来るかも知れないしな、ちょっと試して見たいんだ。」
「わかった、だがここは王家直轄地の港だからな、作るなら別の所にしたほうがいい。」
「なるほど、ならおすすめはあるか?」
「おすすめか、お前なら資材も何もいらないからな・・・
ここはどうだ?」
マルコは地図を広げ指し示す、そこはアレスから見ると山を挟み北に30kmほど離れている場所だった。
「ここは?」
「アレス伯爵領だが特に何もない場所だ、ここなら特に文句を言われることも無いだろう。」
「なるほど、何も無ければ好きに使っても良いということか。」
「一応許可は取るが、今回の謝罪という形でゴウに渡すように話をしておくよ。」
「謝罪なんていいのに。」
「形だけとしても謝罪させてくれ、兄上がやったことは許されていい話ではない、民の不満を避ける為にも受けて欲しい。」
「わかった、じゃあ一度許可を取ってもらっていいか?」
「任せろ、必ず許可を取ってくる。」
俺達はマルコと一緒に一度アレスに戻る事にした。
「マルコ様!駅が再稼働しております!」
「落ち着けバーサク、見てわかる通り交渉は成功した。
こちらにいるのがゴウだ、失礼のないように気をつけろ。」
マルコの紹介に俺は軽く頭を下げる。
「ゴウ殿、この度は失礼致した。」
バーサクは深々と頭を下げる、バーサクにしてもローグが出した命令が理不尽な物と理解しており、その対応に申し訳無さが滲み出ていた。
「バーサクさん、頭を上げてください。
私としても騎士の方と争うつもりはありません。」
「本当に申し訳ない。」
バーサクは深く謝罪をして頭を上げる。
「ゴウ、父上の許可が出るまでアレス駅で待っててくれ。」
「わかった、だけど無理に取る必要は無いからな。」
「無理も何もこれぐらいは当然の権利だ。」
マルコはバーサク達を連れて一度帰っていった。
「ミユキ!!」
窓の外からリエの声が聞こえてくる。
「ミユキさん、友達が来たみたいだよ、会ってくるといい。」
「いいんですか?」
「構わないよ、俺は部屋で休ませてもらうよ。」
俺は部屋に戻り休む事にするのであった。
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