第47話 マルコの交渉
マルコが到着したのは知らない駅であった。
「ここにゴウがいるんだよな。」
マルコは汽車を降り、駅の構内を歩く、基本的な造りは変わらないように見えるがアレスには無かった店があり、そこからゴウの声が聞こえてきていた。
「ゴウ、ここにいたのか・・・」
マルコが店に入るとそこにはゴウを始め、ミユキ、アヤカもともに食事をしながら泣いていた。
「ゴウ何かあったのか!」
「マルコ?良かった無事だったんだな。」
「俺の事よりまずはお前の事だよ、何で三人ともに泣いていたんだ?」
「ああ、これは、故郷の定番料理を食べていてな、懐かしさで思わず涙が出ていただけだ。」
俺達は弁当で日本食を食べていたとはいえ、もう何ヶ月もラーメンなどの料理を食べていない、自分でも思わなかったがまさか涙が出るほど恋しくなっていたとは思わなかった。
「まあ、大丈夫ならいいんだが・・・」
「それよりマルコこそ、監禁されていると聞いたけど大丈夫だったのか?」
「確かに監禁されてはいたがお前との交渉の為に解放されたんだ。」
「結局何だったんだあの兵士は?脱税とか言ってたが税に対してはマルコが払っていたよな?」
「税については大丈夫だ、ちゃんと払っている。兵士については兄上が暴走した結果だな、ゴウと私を捕まえれば鉄道が手に入ると考えたみたいだ。」
「捕まえても鉄道は手に入らないけどね。」
「お前の不思議なチカラを理解していなかったのだろう。」
マルコは当初こそ知らなかったが敷設していく様子を見れば一目瞭然である、自分では理解出来ない事だったがその存在は地元アレスの発展に大きく貢献出来ると深く追求すること無く、ゴウとの共同経営者の形を崩すことはなかったのであった。
「まあ、俺もこのチカラはよくわかってないけどな。」
「それでゴウ、鉄道の再開をお願いできないか?アレスを中心に大混乱が起きているんだ、このままだとアレス伯爵家の存続も危うい状況なんだ。」
「マルコが言うならいいよ、すぐに再開させる。」
俺は言葉の通り鉄道を再開させる、駅に押しかけていた者達は中に入る事が可能となり、切符の購入もでき、当然ながら、発車を待つ各方面行きの汽車に搭乗することが可能となっていた。
「もしかして、今再開したのか?」
「そうだよ、この駅はまだ路線を組み込んでいないから汽車が来ることは無いし、誰も入れないようにしたけど、アレスを含めて各地の汽車は再開したから。」
「ありがとう!!
しかし、良かったのか?私としたら条件を出されると思ったんだが・・・」
「条件は出したよ、マルコが俺の所に来るというね、俺との交渉はマルコを通す必要があると知らしめれたと思うんだ。」
俺の言葉にマルコは目を丸くしていた・・・
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