第44話 駅では

バーサクはすぐに屋敷に軟禁されているマルコを解放する。

「マルコ様、御不自由をおかけしました。」

「バーサク、いったいどうなっている?父上が帰ってきたのか?」

「いえ、ですが事態を重く見たポーロ様は火急の使者を送ってくださいました。

マルコ様にはゴウ殿と交渉してもらいたいとの事にございます。」

「ゴウは無事なのか?」

「駅に侵入することは出来ずにおりました、無事と考えております。」

「侵入できない?どういう事だ?」

マルコはバーサクから現状について情報共有を行う。


「なるほど、父上はヒホンの魔法使いと考えているのか、確かにヒホンの魔法使いは不満を言わずにただ消え去ると伝承にあったな。

ゴウの立ち振る舞いに当てはまる所もある・・・」

「ヒホンの魔法使いなら建国の士にございます、ゴウ殿との誤解を解き、陛下にお引き合わせるべきではないかと。」

「・・・つまり、それを私にしろということだね。」

「マルコ様しか出来ぬ事にございます、どうかアレス伯爵家の存続の為にもどうかお願いします。」

「わかった、ただしゴウの身の安全は絶対に守ってもらう。」

「当然にございます、このバーサク天地神明に誓いゴウ殿の安全を保証しましょう。」

「ならば、私は駅に向う、馬を用意してくれ。」 「はっ!!」

マルコは事情を把握すると駅に向かうのであった。


「海が見えた。」

俺は港町アライにやって来ていた。

アレス駅からアライまで新たな路線を作り、アライ郊外に駅を作る、そして汽車でやってきたのだが、駅の外には物珍しそうに人集りが出来ている、中には鉄道の事を知っている者もおり、アライに駅が出来たことを喜ぶ者も多くいた。

「ゴウさん、海より人が沢山いますけど?」

「・・・暫くは侵入禁止のままにしておくから大丈夫。」


俺は到着後、自身のチカラを見直すことにする、停止するまでの間の乗客数により、鉄道施設に駅そば屋が建設出来る事になっていた。

「蕎麦屋だけか・・・!!」

少しがっかりした気持ちで蕎麦屋のメニューを見たが俺はそこで固まる、メニューにラーメンやカレーライスなど日本人にとって国民食とも言えるものがある。

俺は即座に駅構内に駅そばを作る。


「ゴウさん、どうかされたのですか?」

「ミユキさん!!ラーメン、ラーメンが食べれるよ!」

「えっ?」

「だからラーメンだよ!ほらアヤカちゃんも見てよ!」

俺は蕎麦屋のメニューを見せる。


「あっ、お蕎麦が食べれるんですね。」

「カレーライス!!」

ミユキとアヤカも反応に違いこそあれ、日本では見慣れた物が目の前にあることに喜びを隠せなかった。

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