第40話 町の外の危険
「ゴウさん、最近町の外で魔物に襲われる人が増えてるいるそうですよ。」
アヤカは食事中、たまたま耳にした噂を教えてくれる。
「魔物か、それは怖いね、二人とも町の外に行くときは気をつけてね。」
「行きませんから大丈夫です、でも線路は大丈夫なのでしょうか?」
ミユキはふとした疑問を投げかける。
「線路は大丈夫、神様保証の安全性だよ。」
そこまで言って俺はふと考える、もし電車内で殺傷事件を起こそうとしたらどうなるのか、すると頭の中に情報が浮かぶ、現状だと事件はそのまま行われてしまうが設定を変える事が出来る事がわかる。
そこで俺は殺意を持って刃物を抜いた場合車外に放出されるように設定を変えるのだった。
「ゴウさんどうしたんですか?」
「いや、電車内での殺傷事件の対応を考えていたんだよ、でも大丈夫、どんな理由があっても車内で殺意を持って刃物を抜いた場合外に出されるようにしたから。
あっ、そうだ、駅でアナウンスしておいたほうがいいね。
ミユキさん、アナウンスの録音お願いできるかな?」
「えっ?私がですか?」
「ミユキさんの声は綺麗だし、俺が言うよりみんなが聞いてくれると思うんだ。」
「綺麗だなんてそんな・・・」
「むぅ、ゴウさん、アヤカがしても良いよ。」
「はは、アヤカちゃんの声は可愛いけど、今回はミユキさんの声の方が適任だと思うんだ。
アヤカちゃんは別の機会にお願いするよ。」
「わかりました、可愛い声が必要な時は言ってください。」
「その時はお願いするよ。」
俺達は何事もない一日を過ごしていたのだが・・・
「おい、本当に魔物なのか?」
「噂だと死体に金品が残っていないとか。」
商人達は死者の増え方に疑念を抱いていた。
「なあ、少し費用がかかっても汽車を利用する方が安全に町を移動出来ると思わないか?」
「たしかにそうだが、田舎の村とかはどうする?そこまで繫がっていないだろ?」
「領主様の御子息が運営されていると聞いたぞ、陳情を出せば村まで繋げてくれるんじゃないか?」
「たしかに積極的に路線を増やしているって聞いたな。」
商人達は連名で陳情書を提出していく、だがそれはポーロの手に届く前にローグの目に止まる事になるのであった。
「陳情書?商人共が何を言ってきたんだ。」
ローグは書類を一読する。
「鉄道の路線を増やして欲しいか、こいつらは要求するしか知らないな。」
ロークは商人にいい気持を持っていなかった、これまでも道を舗装しろやら税金を下げろとか自分達の利益になる為の要求しかしてこない、そのクセ俺が気に入った物を取寄せろと命じても、既に購入者が決まっているとかその値段では無理だとか言って断ってくる。
「そうだ、要求をしてくるというなら、コイツラから絞り取るか。」
ローグは商人達と面会する。
「陳情書は見た、鉄道を各村に繋げて欲しいとあったな?」
「はい、そうすれば安全に物が運べます。」
「それはわかる、だがそれをするには金もかかるのだ、お前達はこの事業にどれだけの予算がいると思っているんだ?」
「・・・」
商人達は答える事は出来ない、これまでにない新たな交通手段であり、魔物の攻撃すら関係なく通り抜ける事の出来る物だ。
どれほどの金をかければ作れるか検討もつかない。
「まあ、私も鬼では無い、商人達が建設費の一部を負担すると言うならその路線の建設を行おうではないか。」
「一部ですか?」
「そうだ、一応目安としていくつかの村への建設費を書いておいた、これを負担するなら考えてもいいぞ。」
ローグは適当に、しかもかなり高額な建設費を書いたのだ、支払えばいい、だが支払わなくても商人達の悔しそうな表情が見れれば良しとしたのだ。
「ローグ様、これを支払えば線路を敷いて駅も建ててくれるのですかな?」
一人の商人がローグに質問を投げかけるのだった。
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