第34話 柏木リエの異世界転移
「ミユキ!ミユキ!」
柏木リエは異世界に着いてすぐに親友のミユキを探すが周囲には誰もいない。
「ミユキ何処にいるのー返事して!」
何も無い草原を見渡しながら道沿いに歩いていた、だが大きな声を出して探している女の声を聞きつけた男達が集まってくる。
「姉ちゃん、威勢がいいな、どうだ俺達と遊んでいかないか?」
「結構です、それより友達を探しているの邪魔しないで。」
「くく、つれねえ事を言うなよ、まあ俺達が遊んだあと売っ払うだけなんだがな。」
男の一人が大きく笑う。
「なんて下衆なの、これだから男は嫌なのよ。」
「なに、すぐに気持ち良くしてやるからな。」
男はリエを囲むように近付こうとするがリエはそれより先に走り出し逃走を始める。
「おい!待ちやがれ!」
男達も折角の獲物である、リエを捕まえる為に追いかける。
「手間をかけさせやがって、まあお前から人気の無い所に移動したんだからな、楽しくやろうじゃないか。」
リエは逃げた結果道から離れててしまい、誰かが通るような雰囲気ではない場所に来てしまっていた。
「こ、こないで!」
リエは距離を取ろうと後ろに下がるのだが木の根に躓いてしまう。
「おっ、自分でパンツを見せてくれるのか?
お前も期待してるのかなぁ〜」
リエがコケた拍子にパンツが見えてしまった事をいじる。
「うるさい!そんな事なんか無いわよ!
この見るな!変態!」
「あーあ、そんな酷い言葉をかけられて俺は傷ついたなぁ〜これはお前で慰めてもらうしか無いな。」
男はリエの反応を面白がっているようで周りの奴らも笑いをこらえるようにしている。
「うるさい!口をひらくなぁ!!」
リエは近くに落ちていた石を男に投げる、するとその瞬間、リエのジョブ忍者のアビリティ投げるが発動、石は思わぬ早さで男の頭に命中、男の頭は消し飛ぶ事になる。
「「「えっ?」」」
残された二人とリエは思わず驚きの声が出る。
リエ自身別に投げる事が得意と言うわけでは無い、そもそも投げた所で相手の頭を消し飛ばせる力など無いのだ、頭を無くし物言わぬ身体は血を噴き出しながらチカラ無く倒れていく。
「わ、わたしが殺したの・・・」
リエは自身が怖くなる、襲われそうだった恐怖とは別の恐怖である。
「てめぇ、メダイの兄貴をよくもやりやがったな!」
男の一人がナイフをぬいて襲いかかってくる。
その事が逆にリエに冷静さを取り戻させた。
そうよ、襲ってきたのはコイツラだわ、これは正当防衛、必要なのは自分を守る事よ。
リエは再び石を拾いナイフを持った男に投げる。
「こんなの避ければ・・・」
男は避けようとするもののあまりの早さに避けきれず腕に当たり、腕に穴が開く。
「ぎやぁぁぁ・・・いでぇ!いでぇよ!!」
「外した?でも・・・」
リエは再び石を持ち腕の痛みに気を取られている男に目掛けて振りかぶる。
「おい、ちょっと!まて・・・」
男の頭を地面のシミと化す・・・
「ひ、人殺し!!」
このされた一人は二人の死をみて逃げようと後ろを向く。
「逃さない!!」
リエはこの男に逃げられたら自分は人殺しで捕まってしまうかも知れない、そんな姿をミユキに見られたくないと頭に浮かぶ。
リエは男が持っていたナイフを拾い男に投げる、それはさっき投げた石より早く、殺傷能力長けていた、男が何歩か駆けた所で仕留める事に成功する。
「はぁはぁ、これで大丈夫よね。」
3人の死体をあらためて見ると多少吐き気はするが、罪悪感はもう湧いてこない。
「コイツラは私に手を出そうとした犯罪者だもん、死んで当然よね。
そうだ・・・」
リエは男達の死体から金銭を探して奪い取る。
「私を襲った慰謝料として貰っていくわ。
でも、さっきのチカラは何だったんだろう。」
リエは道に戻るまでに物を投げ自身のチカラを確認する。
「なるほど、私が貰ったチカラ、ジョブは投げた物の命中率と威力が上がるのね。
ふーん、まぁまぁ使えるのかな?」
無力で異世界に来るよりは断然に良かった、このチカラがあれば現地人に負けない事は確認出来た。
「ミユキ待っててね、すぐに迎えに行くから!」
リエは町に向かい歩みを進めるのであった。
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