第33話 謝罪を・・・
「つまり誤解から俺を殺そうとしていたということなんだね。」
俺はミユキから事情を聞いたのだが、ミユキを穢したと勘違いした挙げ句、俺を殺意を持って攻撃してきたことがわかる。
「はい、でもそれは本意ではなくて・・・」
「あの投げつけられたボールペンだけでも俺は死んでいた可能性があったからね、それにナイフを投げようとしてたから殺意はあったんだろう。」
「・・・はい。
でも、本人は反省してまして、ゴウさんに謝りたいと言ってます。」
「いや、謝罪はいらないよ、俺としてはもう関わるつもりは無いから。」
「でも、それじゃリエは・・・」
「自分で生きていこうとしてるならそれでいいんじゃないかな?
俺としても自分を殺そうとした者をわざわざ助けようとは思わないから。」
俺の言葉にミユキは驚いている様子だった、何だかんだ言われれても許してもらえると思っていたのかも知れない。
「ミユキさんもリエさんと行きたいなら行ってもらってもかまわないよ、奴隷紋の解除方法はわからないけど俺はそれで君を縛るつもりは無いから。」
「それは出来ないんです、奴隷紋の影響で主人から半年以上離れていると死んでしまうそうなんです。」
「そうかそれならリエさんに譲渡するという形にしたら一緒に行くことは出来るかも知れないね。」
「止めてください!何で私が離れていく前提なんですか。」
「違うの?リエさんは君の親友と聞いていたからね、てっきり一緒に行きたいのかと。」
「たしかに親友ですが主にしたいと思ったこともありませんし、そもそもゴウさんから離れていくつもりもありません。」
「そう、ならこのまま住んでくれてもかまわない、リエさんに会うことも特に止めたりするつもりは無いよ、ただ俺は会うつもりは無いという事を覚えておいて欲しい。」
ミユキは取り付く島も無い事に気付かされるのであった。
「リエ、駄目だったよ、ゴウさんはリエの謝罪を受ける気は無いってハッキリ言ってた。」
「何よ!小さい男ね!こっちは謝ってるんだから大人しく許せばいいだけじゃない!
もう知らない!ミユキ一緒に行きましょう。」
「行くって何処に?」
「そりゃあんな男の目の届かない所よ!」
「無理よ、私は奴隷紋が付いているからゴウさんから離れて暮せないわ。」
「そんな物消せばいいじゃない!」
「消せるわけ無いでしょ、ゴウさんも消してくれるように奴隷商に聞いていたけど無理って答えられたし。」
「でも!!」
「リエ感情で動かないで、言ったところでどうにもならない事もあるのよ。」
「でも方法ぐらいあるはずよ!」
「あるかも知れないけど、どうやってそれを知るの?私達はこの世界に着いて何も知らないのに、どうやって?」
「それは・・・
そうきっと誰か賢い人に聞けばいいのよ!」
「はぁ、その賢い人に会えるとも限らないし、もし会えても何を対価に聞くつもり?」
「それは・・・」
「リエここは日本と違うのよ、よく考えて動かないと私みたいに奴隷になる事だってあるの。」
「私はチカラがあるし・・・」
「そうね、でもそのチカラでどれだけの事ができるの?人一人を倒す事?それでどれだけの事が出来るの?敵が増えたら?何人までなら倒せる?」
ミユキの答えにリエは答えられなくなる。
「リエ、貴女は強くなったのかも知れないけど、なんでも出来る訳じゃ無いの。
私はゴウさんを信じているし、危害を加えられないとおもってるわ。
リエは私の事を気にせず自由にしたらいいと思うよ。」
「いや!ミユキと一緒にいたい!こんな世界で折角再会出来た親友と離れるなんてしたくない!」
「でも、無理なの・・・
なんで話を聞いてくれなかったのよ・・・」
ミユキは嘆くが今後許されるかどうかはゴウの心だけが知るのであった。
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