第19話 マルコと話し合い
「それでゴウ、この鉄道というものはなんなんだ?」
「何と言われてもな、移動手段としか言いようが無い。」
「じゃあ、これはどうやったら他の町と繋がる事が出来る?」
「俺が地図を見て、場所を認識出来れば作れるみたい、直接見たほうが精度のいい場所に作れるみたいだけど。」
「・・・つまりゴウのチカラで建設、運用されているということか?」
「まあ、そう考えて貰っていいと思うよ。」
「簡単に言うなよ、これがどれだけ凄いことが自覚しているのか?」
「まあ、町の発展に繋がるぐらいは理解しているつもりだよ。」
「それだけじゃない、これが国内に整備されれば前線への出兵、いや補給線の確保も楽になるだろう、戦争の有り様すら変わってしまうぞ。」
「戦争に協力はしたくないかも。」
「正直な奴だな、まあ、俺も話には出したが可能性があるってだけだな、陛下は戦争を好まれる御方では無いしな。」
「そうなんですね。」
「ゴウ、建設出来るって言ってたが王都ジョアまで建設することは出来るのか?」
「王都ジョアが何処かがわかりませんが地図か何かを見れば出来ると思います。」
「地図か、おい、誰か屋敷から地図を持ってきてくれ。」
マルコは近くに控えていた者に命じて地図を持ってこらせる。
その間にも質問は続いていた。
「さっきくれたボールペンだが、これはいくらでもあるのか?」
「ええ、自動で補充されるみたいですし、代金を払えば手に入れれますね。」
俺自身は代金がいらないのだが、他者は売店から買うしか無い、仮に盗もうとしたらどうなるか考えたがどうやら購入していない分は売店から離れた時点で消失するようだった。
「ゴウ、これを販売してくれないか?
これが役所にあれば書類業務も捗る。」
「いいですよ、鉄道の運行が始まれば誰でも買えるようになりますし一本銅貨5枚ですね。」
「安い!」
「まあたいした物でも無いですから。」
マルコからするとあり得ない値段なのだが、俺としてはあまり高く値段設定する気にもなれなかった。
「マルコ様、地図をお持ちしました。」
「ご苦労。
ゴウ、王都ジョアはここなのだが作れるか?」
「えーと、はい作れますね。」
俺は頭の中に浮かんだ地図に路線図を作ったのだが問題なく作れる、ただ、誰かの所有地を避ける都合上大きく迂回したりする箇所も多くあった。
「ただ、大回りする必要があります、地図でいうとこの辺りを通るような感じでしょうか?」
「なぜ真っ直ぐに行かん?」
「実は誰かの所有地を通る場合、土地の所有者の許可が必要なのです、ですので誰も所有していない郊外を通って行く必要があり、このように大きく迂回するような進路になるのです。」
「許可か、たしかに勝手に使うわけにもいかんか。
ゴウ、許可は私が取ってくるが鉄道を作ってもらえないだろうか?」
「ええ、私が移動するにも便利ですから、作る事は致しますが、私は使えなくすることも出来ます、理由無く止める事はしないつもりですが不当な扱いを受けたら私は立ち去り、鉄道も使えなくなりますがそれでもよろしいのですか?」
「私はゴウを不当に扱うつもりは無い、出来る限りの事はしようと思うが、耐えられない事があったらまず相談して欲しい。」
「わかりました、マルコを信じましょう。」
「そうか!ならばすぐに父上に話を通してくる。吉報を待っていてくれ。」
マルコは慌ただしく駅から出ていくのを俺は見送っていたのだった。
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