第4話 初めての食事

その夜、夕食に並んだ食事は豪華な物であった。

「この煮物は美味しいですね。」

「はい、これを食べると滋養にいいということで若い人達が好んで食べているのですよ。」

「滋養にいいのに若い人が食べるのですか?

私がいた地域では歳を取った方が好んで食べていたのですが、地域の差でしょうか?」

「と、歳を取った方がですか・・・それはお元気な方が多いのですね。」

「たしかに多かった気がしますね、そういえば村で若い人を見かけなかったのですが、何処かに出掛けているのですか?」

「いや、若い者の多くは何も無い村に愛想を尽かせてな、少し離れた町に行ったきり帰って来ないのだ。

ニナはワシの娘ということもあり村から出て行く訳にもいかんからな、寂しい思いをさせておる、」

タラスは寂しそうな表情を浮かべる。


村長として村が衰退していくのは見るに堪えないのだろう、その心中は察するに余りあるものだった。

「若い人を呼び戻せないのですか?」

「村は不便だからな、誇れる物と言えば自然しかない。」

タラスは自虐気味に言う。

「産業ですか・・・」

それを聞いた時に頭にふと浮かび上がる文字があった。


『鉄道の開通』

条件

・場所を地図、もしくは目で確認すること。

・敷設する土地が自分の物、もしくは所有者が存在しないこと。


「タラスさん地図はありますか?」

「地図ですか?詳しい物はありませんが周辺の物ならありますよ。」

「少し見せてもらっても?」

「ええ、ニナ持ってきなさい。」

「はい。」

俺の勢いにタラスは訳もわからないまま地図を見せてくれる。


地図には村の隣に大森林と書かれていて、その森を避けるように大きく街道があり、街道沿いに村や町が立っていた。


「タラスさん、この森を直線で抜ける事が出来たら、このアルスという町まで早くなると思うのですが。」

「ゴウさんそれは無茶な話だ、ゴウさんは知らないようだが、この大森林は魔物で溢れている場所抜けるどころか半分も行く前に腕利き冒険者でも死んでしまう。」

「仮に常時抜ける事が出来る道が出来れば?」

「周辺の商人達は興味を持つでしょう。

まあ夢物語になるでしょうな。」


俺は考える、地図での確認はクリア出来たみたいだ、後は所有権の話だが・・・


「そんな事より今日はもう休みましょう、ゴウさんも着いたばかりでお疲れでしょう。」

「ああ、そうですね、少し身体も暑いですし、休ませてもらいます。」

「ええ、ごゆっくりと。」

俺は考えるのを止め、用意された部屋に入る。


部屋に入り、一人になると身体の異常を感じる、妙に身体が火照ってくる。

しかも自分の自分がかつて無いほど元気である。


「異世界に来て何か変なのか・・・」

俺は自身の変化に戸惑いを覚えていると部屋をノックする音が聞こえる。

「はい、何でしょう?」

「ニナです、少しよろしいですか?」

「ええ、何ですか?」

俺は扉を開けるとそこには下着姿と言えるような状態のニナが立っている。


「ニナさん?」

「ゴウさん、貴方の子種をいただきたいと思います。」

「いやいや、どういうこと?」

「この村は若い人がいないのです、子供がいないと村が無くなってしまいます、どうかお情けをくださいませ。」

「いや、こういうことは互いに好きになってから・・・」

「私の事がお嫌いですか?このままだと私はお父さんと同じぐらいの男性と交わらないといけなくなるのです、どうかお願いします。」

「そ、それは、それに俺は30歳、君のお父さんとあまり歳が変わらないのでは?」

「ふふ、冗談を言わないでください、どこから見ても私より少し年上ぐらいにしか見えませんよ。」

「えっ?」

たしかに自転車を漕いでも体力があった気がする、もしかしてこの世界に来るときに若返らせてくれたのか。


俺が考えている間に俺のズボンは脱がされていた。

「ニナさん、何を!」

「はぁはぁ、私ももう限界なんです、ゴウさんもわかるでしょ?」

俺の俺がはち切れんばかりに巨大化している。


「さあ一つになりましょう。」

俺はこの日、ケモノとなった・・・

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