第10話 土のダンジョン攻略!!
主人公が最初に入るダンジョンは、地下30階まであるダンジョンで、ここではレベル10まで上がるとそれ以上レベルは上がらない。
2番目のダンジョンでレベル20、3番目のダンジョンでレベル30と上がって行く感じだ。
俺のレベルは今3だ。この土日を利用してレベルを10まで上げれば土のダンジョンなぞ容易に攻略できる。何て言っても俺は何度も何度もナインデスティニーを攻略してるんだ。ダンジョンの中もある程度は把握している。
「おっ!最初は土蜘蛛だな。魔法2発で倒せるはずだ。」
俺は氷の玉を放ち土蜘蛛に攻撃した。魔法を受けた土蜘蛛は俺に気付き向かってくるが、向かってくる間にもう一発氷の玉を放ちモンスターを倒した。
よしよし、こっちが先にモンスターを見つければ先制攻撃すれば、攻撃される前に倒す事ができるぞ。俺のMPは30.氷の玉が15回は打てる。そしてMPが尽きたら買っていたMP回復薬でMPを回復させる。モンスターを倒したらお金を落とすからお金も貯まる。お金が貯まればMP回復薬が買える。無限ループだな。
俺が来ている土のダンジョンは、レベル10までのモンスターしか現れない。ちなみにここではどれだけ倒してもレベル10から先にレベルは上がらないが、地下1回の弱小モンスターを倒しても、経験値は増えるのでレベル10までは上げる事ができる安心設計だ。
それから俺は、
魔物を見つけてはぶっ放す。氷の魔法でぶっ放す。と、真っすぐ行ってブッ飛ばす。右ストレートでブッ飛ばす。とブツブツ言いながら、ダンジョンを進んで行った。
俺の手持ちのMP回復薬は5個だ。MPは30ある。計算通りなら、90体のモンスターを倒す事ができるはずだ。90体倒せばレベルは5に上がる。
5に上がれば次の魔法を覚えるからダンジョン攻略が楽になるし、モンスターが落としたお金で更にMP回復薬を購入すれば、安全に進んで行ける。まさに無限ループ。あっこれ言うの2回目か。いやいや何度でも言おう。無限ループだ。
モンスターを倒す。モンスターを倒す。モンスターを倒す。
氷の玉。氷の玉。氷の玉。氷の玉。
MP回復薬。MP回復薬。MP回復薬。
レベルアップ。レベルアップ。レベルアップ。
俺はひたすら土のダンジョンでモンスターを倒し続けた。ロールプレイングで一日中レベル上げをすれば、始めに出てくるスライムだけでもレベルは10に上がるだろうか?そんな事を考えながらもゲームとリアルの違いに悶々としながらもモンスターを倒し続けた。
なぜか?
俺はこの世界にモンスターを倒す為にきたんじゃない!!そうだヒロインとイチャイチャする為にきたんだ。ならこんな苦しい修行のようなレベル上げは初めに終わらせるべきなんだ。
俺は食事の時、お気に入りは一番最後に食べる方だ。嫌いな野菜を先に全て食べてから肉を食べる派だ。なので、ダンジョンも先に上限いっぱいまで上げてから攻略するつもりだ。
機械のようにひたすらモンスターを倒し続けた俺は、見事、土曜日の初日でレベルを10まで上げた。
「さすが俺。やればできるもんだね。」
ゲームじゃ、始めのダンジョンでレベルを10にするのなんて、1時間が2時間もあればできただろう。それに対し、俺がレベル10にするまでにかかった時間はきっちり12時間。もはや最近のエロゲなら3本はクリアできているぐらいの時間だな。
まあしないけど。
待ってろよスズ。俺がお前の悩みを解決してやる。俺の欲望を舐めるなよ!地下30階のダンジョンなんて明日1日でクリアしてやるぜ。
シュン
レベル10
HP100
MP100
攻撃力30
防御力30
魔法力60
魔法防御40
敏捷性40
運40
スキル
氷の玉
氷の矢
氷の雨
翌日の日曜日、朝早く俺は昨日と同じく土のダンジョンに向かった。
モンスターを見つけても逃げる。逃げる。逃げる。なぜかって?
倒してもレベルは上がらないんだ。倒すだけ無駄だろう。無駄な事はしない主義だ。
地下5階、地下10階、地下15階、地下20階、どんどん、どんどん先に進む。
宝箱?そんなものは無視だ。どうせ少量のお金か使えない武器しか入っていないだろ?さっきも言ったが、無駄な事はしない主義だ。
目的は一つ。土の髪飾りだけだ。土蜘蛛よ。お前にかまってる暇はない。おい下に降りる階段の前に居座るな!邪魔だーーー!
「ようやく地下30階まで着いた。」
ふっ。やればできるじゃないか俺。入学して1週間ではじめのダンジョンを攻略するのは俺ぐらいだろう。
よしよし後は土の髪飾りを取ってっと・・・
ああそういや〜ボスがいたんだっけ。だがしかし、レベル10の俺の敵ではないわー。
氷の矢、氷の矢、氷の矢、氷の矢、氷の矢。
土のダンジョンのボス、土蜘蛛の母は、俺の魔法であっけなく土に還っていった。
よっしゃーーー。
「土の髪飾りゲットだぜ!」
モンスターを捕まえて戦わせる主人公のようなセリフを口にして、俺は意気揚々と土のダンジョンを後にした。
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