第6話 俺の名はシュンだ
「これに懲りたら学校内でケンカはやめるんだな。」
やったよ。やっちまったよ。オープニングで勇者と魔王を倒しちゃったよ。レベル3までしか上げれなかったけどこうもうまく行くとは思わなかった。
本当に大丈夫か俺?いきなりこんな目立つような事して目をつけられないか?やばい。急に不安になってきた。どうしよ・・・
「あの〜。」
「あっはい。」
「助けてくれてありがとうございます。」
あっ、そういや〜この人カインに絡まれてた人か。いやお礼を言われても助けたのって俺じゃないし、そもそも俺ってどう映ってたんだ?いきなり決闘に乱入した危ない人?戦闘狂とか思われてないよな??
「いや俺は二人のケンカを止めただけだから。むしろ君を助けたのって、あの金髪の人でしょ?お礼ならそっちに言って上げなよ。」
「あっ。そうですね。でもあなたも助けてくれたのに変わりはないですから。あの、私リンって言います。」
「俺はシュンだよ。まあ明日から学校で顔合わすと思うけどよろしくね。」
「はい。」
やばい。何この娘、可愛いんだけど。いきなり女の子と仲良くなっちゃったぞ?名前を教えてくれるってそう言う事だよな?
えっ?俺ってもしかしてこの娘と付き合うの?手を繋いで登校とかしちゃうの?そんな夢みたいな事できるのか?
こんな場面ナインデスティニーでなかったよね?いや、魔王を選択したら決闘は勇者が勝つからその時は勇者がリンさんに言われてるはずだ。
えっ?ならこのストーリーの主人公って勇者アレックス?それはまずい。まずいぞ。
「リンさん。金髪の人の所へ行こう。俺もいきなり魔法をぶっ放してしまったから謝りたい。」
俺はリンの手を取ってアレックスの元へ向かった。
とっさにやったけど、女の人の手を握るなんていつぶりだ?やわらかい・・・そして小さな手・・・これは・・・
惚れてまうやろーーーーー。
「大丈夫か?その・・・すまなかったな。」
「あの、助けてくれてありがとうございました。」
「あ、ああ。いや、大丈夫だ。俺の方こそ助かった。正直向こうが魔法を使ってきたとき勝てるかわからなかったからな。助けを申し出て決闘で負けるとかカッコ悪いしな。」
「いや、でも勝てる可能性だってあっただろ?カッコよかったぜ。誰にでもできる事じゃないと俺は思う。」
「うん。周りの人誰も助けてくれなかった。あなただけです。私を助けようとしてくれたのは。私はリンです。」
「はは。まあ実際助けたのは彼だけどね。ああ、俺はアレックス。よろしく。」
「俺はシュンだ。明日から同じ学生だ。俺も仲良くしてくれるとうれしい。」
「ああ。キミみたいな強いヤツと友達になれるのは俺も助かる。こちらこそよろしくな。」
よっしゃー!!アレックスは負けてくやしくて強くなる事を意識する。ような事にはなってないぞ。って事はアレックスは主人公候補から外れた?まあ主人公から外れても魔王が勇者から略奪するから結局の所はアレックスはヒロインとくっつくんだけど。
いや、アレックスとリンが引っ付いたらどうなるんだ?ヒロインとはくっつかなくなる?いやいや、リンと仲良くなったのは俺が先だ。リンとアレックスがくっついたら俺生きていけないかも・・・でもアレックスってイケメンだからな~。普通の女の子ならアレックスを好きになるよな。
はっ!ネガティブモードに入る所だった。いかんいかん。今日の所はよくやった。と自分をほめる所だ。アレックスとリンを二人きりにするのは危ないが、カインもしっかりとフォローしておかないとな。俺が攻略したヒロインを取られたらたまらんし。取るのはいいけど、取られるのは勘弁だ。
俺はアレックスとリンが談笑している所を離れて、魔王カインの元に向かった。
「悪かったな。いきなり魔法をぶっ放して。」
「あ。いや。その・・・」
なんだよ。やっぱり引きこもりボッチキャラじゃん。この感じでどうやってリンに絡んだんだよ!!!
「お前も女の子が嫌がる事は止めろよ。明日からみんな同級生なんだ。目を付けられてハブられるのはいやだろ?」
「・・・」
いや、なんかしゃべれよ。こっちはコミュ力高くないのに、がんばって話かけてるんだぞ。何かしゃべらないと会話続かないじゃん。俺イケメンアレックスじゃないんだぞ?
「まあ明日からはよろしくな。俺はシュンだ。」
「・・・カイン。」
「カインか。よろしくな。」
フォローできたからわからんけど、まあ話掛けたしOKだ。それよりもアレックスとリンだ。早く戻らないと・・・ってメッチャ仲良くなってる!?
ガーン
まだ攻略もしてないのにいきなり寝取られた気分だ。いやこの場合は、
BSS(僕が先に好きだったのに)か・・・
「アレックス、リン。おまたせ。」
「お前、アイツにも声かけにいったのかよ?お人よしだな。」
「俺が魔法をぶっ放して傷つけたのには変わりないからな。まあ謝ったりしてなかったけど・・・カインって言うらしいぞ。」
「カインか・・・」
この短期間でくっついてないよな。くっついてないよね?いきなり大ダメージ喰らわせないでくれよ。とりあえず、これでオープニングはこれで終わりだな。明日からメインストーリー1章のはじまりだ。
オープニングが5分じゃなくて1週間もかかったけど、まあ明日から学校生活が始まるんだ。今回みたいに自由に行動できるのがわかったのは大きい。俺の行動が今後どんな感じでナインデスティニーに影響を与えるかわからんから、今回みたいな原作にない行動も控えた方がいいのか・・・
と言っても俺の存在自体が原作にないからどうしようもないけど・・・
まあ、明日からメインストーリー開始だ。よし、やるぞ。
ハーレム王に俺はなる!!!
オープニング 完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます