取材
「あれ、先輩方、もう帰っちゃうんですか?」
「もしかして、二人でデートですか?」
桜と二人で帰ろうとしたところで、後輩姉妹と鉢合わせた。
「ちげーよ、執筆用の取材だよ、しゅ、ざ、い」
「取材ねぇ、まぁ、間違ってるとも言えないけど……」
桜が呆れたようになにか言っているが、無視だ無視。
「で、何の取材ですか?」
桜を見て、紅葉が怪訝そうに訊いてくる。
「異世界?」
何の、と言われると若干困ってしまう。
「伊勢海? 異世界、ああ、異世界ね」
葉月は合点がいったように頷いた。
「いや、異世界ってなんなのよ」
「あれ? お姉ちゃんも見たでしょ、CM。あのゲームの発売日が今日だった」
「葉月ちゃん正解!」
桜が葉月を撫でている。
「つまり、先輩は取材と称してゲームで遊ぶために早く帰られるとそうおっしゃりたいわけですか……」
「いや、オープンワールドなゲーム小説を書く身としては真っ当な取材と言いますか……」
後輩ちゃんの圧に負けそうだが、ここは正当な取材行為であることを訴えておきたい。
「SNSを見てもらえばわかるけど、数多くの作家やら漫画家とかも皆、取材に行ってるんだよ。
それに、取材のために投稿を調整して、今月分のノルマ位は既に投稿した……と思う」
「先輩に何のノルマがあるのかは知りませんが、何で一日に複数エピソード投稿してるんだろうと思ってました。
まさか、このためとは思いませんでしたが」
「デイリークエストの前払いとか言いながら投稿してたしねぇ」
「ま、そんな訳なので今日はもう帰るよ。じゃ、またな」
「紅葉ちゃんも葉月ちゃんもあんまり遅くならないようにね。またねー」
―― 解説 ――
未だ空島から降りずにキノコを取ってきては焼くだけのスローライフを満喫しています。
初投稿からフルスロットルの自転車操業なので取材とか以前にプロットとかもなく書いていました。
ので、取材名目でペースダウンするのも良いかと思っているところです。
オープンワールドなVRMMOは、【VTuber】猫乃わん太 through Unmemory World Online【ぬいぐるみ系】
https://kakuyomu.jp/works/16817330655904031709
として連載中なので、よろしかったら御覧ください。
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