ぬいぐるみVSメカぬいぐるみ
「ウィキペディアによると『ぬいぐるみ』は、
【東宝の『ゴジラシリーズ』などに代表される、おもに「特撮映画」に登場する、特殊ゴム素材などを用いた、演技者が中に入る形式の怪獣やロボット、宇宙人などの異生物の造形品の、現場における用語】
とも書いてある」
『ぬいぐるみ』がお題ではあるが、特にその内容に制限はない。
「つまり、特撮ネタは全然オーケーってやつだ」
「なんで君は斜め上な攻め方ばかり狙おうとするかな」
スマホから顔を上げ、先輩はやれやれと首を振った。
「『ぬいぐるみVSメカぬいぐるみ』とかどうだろ?」
元ネタもリスペクトできるし、インパクトもある気がする。
「え、三作もあるの?」
驚いたように呟いた先輩に差し出されたスマホの画面を見た。
ゴジラ映画作品の一覧のページが表示されている。
「『ぬいぐるみ対メカぬいぐるみ』、
『ぬいぐるみVSメカぬいぐるみ』、
『ぬいぐるみ×メカぬいぐるみ』、
三作かけるな」
三作もあるとは知らなかった。
「ところで、『本屋』のお題は投稿したのかい?」
「庇を貸して母屋を取られる」
「本屋(ほんおく)ネタでプロットを練ってたんだよね」
風を通すべく隙間を開けていた窓を締める。
「それで?」
ジト目の先輩を見ないようにして答える。
「777文字縛りがなかなか厳しい」
書くからには777文字ぴったりにしたい。
「流行りのAI君あるでしょ、試しに『本屋』のお題で777字ぐらいで書いてもらったんだ」
「どうなったの?」
若干、身を乗り出してきた。
AIの書く作品は先輩も気になるようだ。
「690文字で『本屋の秘密』という作品を一分とかからずに仕上げてきた。それっぽい、そこそこの小説は任せたほうが簡単かもしれない」
作者の個性のない作品ぐらいなら簡単に生成できる時代がきてしまった。いや、作者の個性すら学習するだろう。
「面白くなってAI君の作品を読んでいたら締め切りをすぎてた」
部室の電気を消し、鍵を閉める。
「明日は休みだし執筆に専念したまえ」
先輩は私から鍵をとりあげ、手を振りながら去っていった。
―― 解説 ――
777文字のオリジナルは、
https://kakuyomu.jp/works/16817330653974940674
で公開しており、KAC2023 第2回お題「ぬいぐるみ」用の応募作品として執筆しました。
なお、本エピソードが文芸部ネタの1作目となり、既に小説が書けない愚痴となっているのがわかります。
KAC2023を機に執筆を開始したため、3作目ではありますが、全然書けずに文字数が足りないため、「ウィキペディア等からの引用を入れれば文字数増えるんじゃね?」という姑息な発想から始まっています。
また、丁度ChatGPT(この時点では3.5?)が話題でもあり、実際に書かせてみたのはノンフィクションでもあります。
AIについては賛否両論出るとは思いますが、ぶっちゃけ、AI作であることを隠して手直しされたら、まず、判断はつかないと考えています。
ただ、創作補助ツールとして考えるとChatGPT等はかなり有用であり、特にフィクションについては有る事無い事答えてくれるので、ネタ出し用としては活用できるのではないでしょうか。
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