第83話 大きさ=パワー
那覇ダンジョン5階層
ぱっと見はただのビーチの様な場所だが、中心部に洞窟があり異様な気配を漂わせている。
砂浜や湖に魔獣はいなかった。
この階層自体がセーフティポイントの様なものなのか…または、人為的に何者かが魔獣を手引きしているのかはわからないがどの道、先へ進むしかない。
時刻は既に真夜中。
2人と逸れて既に半日が経過している。
早く合流しなければ…
洞窟の中へと入って行く草介。
彼の姿が洞窟内に消えたのを見計らう様に、二つの影が孤島に現れる。
「いいか。あの男が榊草介だ。覚えてるだろう。お前をやった男だよ。」
「ウゥゥ…サカキ…ソウ…スケ……コ…ロス…」
「そうだ。榊草介を殺すんだ。今からお前は洞窟へ入り奴を襲う。俺は今から奴が逃げられない様、洞窟を塞ぐ準備に入る。それが終わり次第作戦開始だ。」
魔獣の体に無理矢理人間をくっ付けた様な見た目。声を発しているのは人間の体だが、その目は自我を失っている。
もう一人は完全なる人型ではあるが、3メートルを超える巨体に赤黒い肌が人ではない事を表していた。
「
ただでさえ大きい体が更に巨大になる。
体はどんどん大きくなり、20メートルを越えた辺りで止まった。
「このくらいでいいか。さて……開幕の合図だ!!」
巨大化した拳が洞窟へと放たれる。
その威力は強大で洞窟は見る影もなく崩壊していた。
「ハハハハハ、勢い余って全部壊しちまったよ。悪いなぁ。お前にやらせる予定だったのに。でも悪いのはあの男だぜ。この程度の攻撃で潰される弱いあいつがなぁ!」
優越感に浸り、高笑いする巨人。
その横で歪な体をした化け物が崩壊した洞窟を睨み付け、唸り声をあげている。
「ウゥゥゥゥ」
「ん?どうした?そんなにあの男を殺したかったのか?死んじまったもんは仕方ねえじゃねえか。さっさと女の所に行くぞ。」
巨大化した体を元に戻し、孤島を立ち去ろうとしたその時、背後から迫る何者かの気配を感じ取り、腕のみを巨大化させその攻撃を受け止める。
「お前は…榊草介!」
洞窟と一緒に潰した筈の榊草介がそこにはいた。
「一撃で仕留めたかったんだが、流石に無理か。」
二人は距離を取る。
「お前、あの状況からどうやって生き残ったんだ?」
「誰かが居るのはわかってたから入口付近で見張ってたんだよ。攻撃する前に洞窟から出てただけだ。お前ら、感知能力ないだろ。お陰で簡単に身を隠せたぞ。」
草介は念の為、洞窟の周りに見張りとしてムカデを置いていた。2人が島に到着したのを知らされた為、入り口付近で様子を伺っていたのだ。
「まあいい。お前には恨みがあるんだ。精々、俺たちの事を楽しませてくれよ。」
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